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2012 年度 実績報告書

試験管内概日リズム同期現象のモデル化

公募研究

研究領域動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築
研究課題/領域番号 24119514
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 浩史  九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (20512627)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードKaiC / リン酸化リズム / 同期現象 / モデル化
研究概要

本研究プロジェクトは、概日リズムを持つ生物のうち最も単純な生物とされるシアノバクテリアの周期決定機構に関する研究である。シアノバクテリアの概日リズムを生み出す中心振動体はKaiCリン酸化リズムであると考えられている。KaiCリン酸化リズムは、試験管内でKaiA, B, Cタンパク質はATPと
30度で混合することによって再構成することができる。外力のない一定の環境下でもリズムを刻むため、自律的な振動子とみなすことができ、24時間周期の安定なリズムを示す。以前研究代表者(伊藤)は、位相の異なるKaiCリン酸化リズムを混合すると、急速に同期し安定したリズムを刻むことを発見した(Ito et al. Nat. Struct. Mol. Biol. 2008)。リン酸化リズムの同期現象のメカニズムに関して、数理モデルと生理学・生化学実験を通した解明を目指して研究を行った。
シアノバクテリアKaiCリン酸化リズムの周期を短縮または延長する変異体はこれまでに多数報告されている(Kondo et al. Science 1994)。それらの変異はKaiC上に存在し、KaiCリン酸化リズム再構成系の周期と生理学実験で観察される周期は相関がある。本年度ではKaiCリン酸化リズム同期現象を生理学的な手法によって解明することを試みた。短周期と長周期を示すKaiC mutantタンパク質が細胞内に同時に二種類発現した場合はどのようなリズムが観察されるのか、生物発光によって確認をした。結果として長周期と短周期を混合した場合は、独立の二つのリズムが観察されるのではなく、ある特定の周期を持つ一つのリズムが観察された。これは細胞内で周期の違う2種類のKaiCが同期現象を起こしていることが示唆される。また周期はオリジナルのKaiC変異体の周期のほぼ中間の値を取った。生理学実験による観察事実は、本研究プロジェクトの目標である数理モデル構築時に、モデルを評価する時に利用出来ると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

生化学実験で用いるKaiCタンパク質の調達が名古屋大学の共同研究先の機材の事情で難しくなった。そのため、生理学実験に絞って研究を進めることに研究計画の修正を行った。

今後の研究の推進方策

数理モデルと生理学実験の比較によって、KaiCリン酸化リズム同期現象の解明を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2012

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Cyanobacterial circadian clock is nullified by low temperature through Hopf bifurcation2012

    • 著者名/発表者名
      Yoriko Murayama , Hiroshi Kori , Takao Kondo , Hideo Iwasaki , Hiroshi Ito
    • 学会等名
      SRBR
    • 発表場所
      Florida, USA
    • 年月日
      20120519-20120523
  • [図書] 種生物学研究2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤浩史
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      種生物学会

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公開日: 2015-05-28  

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