公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は具体的に次の3つの課題解明を掲げている。①「ヤハウェ一神教の成立」、②「古代イスラエルの物質文化」、③「ヤハウェ一神教の展開」である。それぞれの研究課題の実績は以下の通りである。1. ①に関して。数10点にのぼる先行研究文献を収集し、それらを検討すると同時に、研究代表者はその研究成果の一端をミュンヘンにおいて開催された国際旧約聖書学会(平成25年8月初旬)において発表し、それを国際学術誌(Vetus Testamentum)に論文として文章化した(現在、印刷中)。また、本課題に関連して、古代西アジアの有翼女神像の展開を跡づけ、これを論文にまとめあげた(現在、印刷中)。2. ②に関して。平成25年8月中旬より9月初旬に天理大学桑原久男教授を団長とするイスラエル国下ガリラヤの遺跡テル・レヘシュの発掘調査に他の研究協力者とともに参加し、現地研究調査に携わるとともに、現地で出土資料の収集を行った。とくに、鉄器時代の女性土偶に関する資料調査は、研究協力者である立教大学大学院生の修士論文に生かされる予定である。それと並んで、研究代表者が団長をつとめたエン・ゲヴ遺跡発掘調査における鉄器時代II期の物質文化の分析を実施した。3. ③に関して。本年度は主として研究文献の収集に終始した。
2: おおむね順調に進展している
前述①の課題に関して、国際学会などで発表し、2点の学術論文を完成させてことは一定の成果と評価しうるであろう。②に関しては、現地調査と資料収集により、平成26年度の研究の基礎が整い、方向性が定まった。③の課題に関しては、平成25年度は先行研究の収集にとどまった。したがって、2年計画の研究のほぼ50パーセントは達成できたと判断しうる。
平成26年度は前述研究課題①と②に関しては、パレスチナ出土の宗教遺物のさらなる収集を進めるとともに、それらを時代ごと、地域ごとにデータベース化してゆく計画である。また、イスラエルにおける現地調査は研究協力者の協力を得て、実施する計画である。③に関しては、研究代表者が勤める大学で10月25、26日に開催される日本オリエント学会56回大会などを中心に、初期キリスト教研究者と初期イスラム研究者の協力を得て、研究会を開催し、課題探求を進めてゆく。
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Supplement of Vetus Testamentum, Munic Congress Volume
巻: in press ページ: in press
Orbis Biblicut et Orientalis
巻: 160 ページ: 15-31