研究領域 | ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究 |
研究課題/領域番号 |
25101707
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
堀内 史朗 山形大学, COC推進室, 准教授 (90469312)
|
研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2015-03-31
|
キーワード | 交替劇 / 芸術 / 異文化交流 / 地域活性化 / 洞窟壁画 / 現代アート / よそ者 / イベント |
研究概要 |
本研究の目的は、人類進化の最終段階において誕生した芸術が、どのようなメカニズムで人類社会の発展に貢献したのか、数理モデルによる分析と、現代の芸術の現場での調査を通じて明らかにすることである。それぞれ以下の研究をおこなった。 (1)数理モデル:芸術は、担い手の直接の利得にはつながらないが、異文化交流を促進し、人々の文化蓄積を促進する効果があるという想定のもとに、エージェントベースモデルを構築して、分析をおこなった。全体としての人口密度が低い場合に、世界の中心付近に芸術に特化したエージェントが現れ、そこが異文化交流の拠点として成長することが明らかとなった。交替劇直後の人類の拡散、あるいは最終氷河期直後の人類の拡散など、人口密度が急速に下がった時に芸術遺跡が現れる傾向を説明するものとなっている。成果は第8回交替劇大会、第57回数理社会学会大会で発表した。 (2)調査:奈良県の8地区でリレー開催された「奈良・町屋の芸術祭(HANARART)」への参与観察、関係者への聞き取り調査、参加アーティストへのアンケートデータの分析をおこなった。地域によって芸術への期待は異なっているが、芸術祭というイベントが地域を一体化し、地域外との交流を促進する効果があることについては共通していた。いっぽう参加アーティストは、観客との交流に満足感を持つ傾向がある。そのいっぽうで地域活性化に貢献したいという気持ちも多かれ少なかれ持っているが、地域の受け入れ態勢の良し悪しで次回以降の芸術祭への参加意欲が変わってくることが分かった。成果は第9回交替劇大会で発表の予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数理モデル、調査ともに、初年度に想定していた通りの進捗状況である。数理モデルがとりあえず完成したので、平成26年度に予定していた計算用PCの購入を前倒しにして購入し、すでに分析を開始している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、考古学者・地理学者などとの連絡体制を強化し、現状ではすでにおこった現象を理解するため数理モデルを、未発見の芸術遺跡の場所を予測できるような実証的なモデルに発展させていく。また奈良県の芸術祭は平成26年度はお休みのため、比較という意味も含め、他地域での芸術祭の調査をおこなう。
|