研究領域 | ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究 |
研究課題/領域番号 |
25101710
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
水野 敬 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 基礎科学特別研究員 (60464616)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 意欲 / 疲労 / 灰白質 / VBM / fMRI / 学習 / 神経基盤 / ワーキングメモリ |
研究概要 |
本研究では、機能的磁気共鳴画像法(functional Magnetic Resonance Imaging, fMRI)を用いて、学習行動に直結する学習意欲、および学習の持続性に寄与する疲労耐性による個体学習強化の神経基盤を解明し、その神経基盤を担う脳部位が、旧人と新人の形態学的差によって特徴づけられる部位であるか、当該領域研究との連携により検証することを目的とした。今年度は、健常成人を対象に、fMRIを用いて学習関連課題遂行中の神経賦活と自律神経活動の同時計測実験を行った。学習関連課題として、作業記憶(ワーキングメモリ)課題の2-back taskを用いた。2-back taskは、ディスプレイ上に、2個前に呈示された数字が、現在呈示されている数字と一致するか否かの判定を要する課題である。また、灰白質量の体積をVoxel Based Morphometry(VBM)法を用いて推定し、疲労感の程度と灰白質体積量の関連解析を行い、前頭葉の萎縮の程度と疲労感の関連性を示唆する結果が得られた。我々の研究グループは、慢性疲労症候群患者における前頭葉の萎縮を報告しており、疲労関連疾患患者だけでなく健常成人の疲労についても同様に疲労の蓄積が脳の萎縮と関連することがわかった。前頭葉の萎縮は、同部位を動因とする脳機能の低下と関連することを示唆する。今後、当該領域研究班と連携し、同部位が旧人と新人の形態学的差によって特徴づけられる部位であるか検討していくための道筋がみえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始当初の予定通り、健常成人を対象とした脳活動と自律神経活動の同時計測実験および疲労と灰白質体積量の相関解析を実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始当初の予定通り、健常成人を対象とした学習意欲および疲労耐性に関する神経基盤解析と脳構造解析を推進する。
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