研究領域 | 元素ブロック高分子材料の創出 |
研究課題/領域番号 |
25102510
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小山 靖人 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (10456262)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高分子合成 / 超分子化学 / 有機合成 / 元素ブロック / 円偏光発光 |
研究概要 |
光学活性な有機化合物と無機化合物とを合理的に複合化することで、有用な機能性素子・素材が創出される。有機金属触媒、分離・分割材料、円偏光発光性材料などがこれらの代表的な例である。不斉場と無機物の合理的な複合化は、今後の革新的な素子・素材創製においても重要なコンセプトとであると言える。 ラセン高分子は、その繰り返し構造間で生じる「空孔」や「溝」といった光学活性低分子には存在しない特異な不斉場を有する。そのためラセン高分子を機能性材料の土台として活用する研究が近年盛んに研究されている。こうした背景の下、我々は高次構造が完全に片方巻きで、様々な無機化合物と容易に複合化でき、多彩な用途に利用することができ、さらにラセンの高次空間を外部刺激によって自在にコントロールできるような、「元素ブロックのラセン集積ツール」の開発を目的に研究を推進している。 本研究では(i)元素ブロック材料を簡便に合成する新しい高分子合成法と(ii)汎用性・信頼性の高いラセン集積場の創製に分類して研究を実施しているが、本年度は特に(ii)について検討した。結果として、速度論的に安定化したニトリルオキシドを用いる新しい高分子合成法を数点開発した。まず①ビニルポリマーの片末端に安定ニトリルオキシド基を有する高分子ニトリルオキシド反応剤の簡便なワンポット合成法を見出した。これにより、無触媒固相反応で多様な元素ブロック材料創製が可能であることを実証した。一方で、②ニトリルオキシドと不飽和結合との分子連結点を機能化する方法論についても検討し、超分子素子の中に簡便に蛍光部位を導入することも可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたニトリルオキシドを用いる新しい高分子合成法について、検討を進め、①高分子ニトリルオキシド反応剤の簡便なワンポット合成法や、②反応連結点の事後機能化法など元素ブロック材料創製に極めて有力な手法を見出した一方で、剛直なラセンポリマーの合成については、検討を十分に詰めきる事ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は特に、汎用性・信頼性の高い元素ブロックのラセン集積場の創製に関する研究を集中して行う。具体的には元素ブロックを任意に集積可能な剛直ラセンポリマーとして、天然糖鎖である(1→2)-β-グルコピラナンを利用する予定である。このポリマーは生理活性機能を有する天然物であり、且つ元素ブロック集積に有用であると期待されるものの、これまでに合成例がほとんど報告されていない。そこで新規合成法を開拓し、生理活性だけでなく、ポリマーの高次構造を明らかとしたい。その後、これまでに得られた知見と合理的に複合化することで、機能性元素ブロック材料の創製を目指す。
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