公募研究
タンパク質やDNAなどの生体高分子は,モノマーユニットのキラリティーに起因した高次構造を形成することによってその複雑な機能や生理活性を発現している。共役らせん高分子は光電気機能を併せ持つ光学活性材料として期待されている。また,遷移金属はd,f軌道の電子に起因する多様な錯体形成能,光電気特性を有しており,高選択的有機反応触媒,光電気機能性材料に広く活用されている。遷移金属錯体を含有する共役高分子は,有機LED,有機薄膜太陽電池,非線形光学材料などへの応用が期待される本研究は,遷移金属錯体触媒を用いる精密重合の研究,折り畳みらせん構造を形成するポリフェニレンエチニレンの合成研究を基盤とし,主鎖共役系に遷移金属を導入した新規共役高分子の合成と高次構造形成,光電気機能材料特性の解明を目的としている。今年度は,主鎖に白金,ゲルモール,シロールを含有する新規光学活性共役高分子の合成と,高次構造を検討した。主鎖内部に後周期遷移金属を含有するD-ヒドロキシフェニルグリシン由来の新規な光学活性含金属共役高分子の合成と特性について検討した 。ポリマーはTHF中では明確なCDピークを示さなかったが,THF/MeOH,あるいはTHF/toluene混合溶媒中においても同様のピークを示した。DLSを測定より,THF/MeOH中ではキラルな会合構造を,THF/toluene中においては単分子のキラルならせん構造を形成していることが示唆された。ポリマーはTHF/MeOH混合溶媒中蛍光を発し,その強度は溶媒の組成によらず一定であった。これに対して,THF/toluene混合溶媒中においてもポリマーは蛍光を発し,tolueneの組成比が増大するにつれて短波長側のピークは弱くなり,長波長側のピークは強くなった。らせん構造の形成に伴い,異なったパターンの蛍光を発するようになったと考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 6件) 図書 (1件)
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