公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
近年、POSS(シルセスキオキサン)を用いて剛直な無機ナノ骨格からなるコア部を元素ブロックとし、これを有機シェル部で覆ったような無機コア/有機シェル型ナノ粒子の創成が可能となっている。本研究ではこのようなナノ粒子を空間的に配列させ「巨大な単結晶」を作製することを目標とする。このため、まず、温度勾配セルを装備した2次元小角X線散乱/2次元広角X線散乱/2次元(Hv)光散乱同時時分割測定システムを構築し、それを用いて、PEG(ポリエチレングリコール)ホモポリマー、PEG/ポリ乳酸ブレンド、PEG-ポリ乳酸ジブロック共重合体、そして無機コア/有機シェル型ナノ粒子の配向制御を行う。今年度はPEGホモポリマー、PEG/ポリ乳酸ブレンド、無機コア/有機シェル型ナノ粒子等の試料についてのX線散乱による粒子サイズ分布関数の評価法の確立に向けて研究を行い、下記の項目について成果を挙げた。1.PEGホモポリマー、PEG/ポリ乳酸ブレンドの結晶ラメラの厚み分布解析2.イミダゾリウム塩末端ポリ(アミドアミン)型POSS核デンドリマーの規則配列3.SAXS法によるポリピロール-パラジウムナノコンポジット粒子の粒径分布解析
1: 当初の計画以上に進展している
本新学術領域研究では、領域内での共同研究を積極的に推進することが奨励されているが、わたくしは、小角X線散乱法によるナノ構造解析によりA02班:黒岩敬太博士、A03班:宮田隆志博士との共同研究を開始し、成果を挙げ始め、現在もこれを遂行中である。これらの成果は、当初の計画には含まれていなかったので、当初の計画通りの成果はもちろんのこと、それ以上に成果を挙げることができていると自己分析した。
研究概要欄に記載した通り、温度勾配セルを装備した2次元小角X線散乱/2次元広角X線散乱/2次元(Hv)光散乱同時時分割測定システムを用いて、PEG(ポリエチレングリコール)ホモポリマー、PEG/ポリ乳酸ブレンド、PEG-ポリ乳酸ジブロック共重合体、そして無機コア/有機シェル型ナノ粒子の配向制御を引き続き行うが、特に、下記の項目について詳細に検討する。◎ PEG/DLPLAブレンド試料の配向実験◎ PEG-PLLAジブロック共重合体の配向実験◎ 無機コア/有機シェル型ナノ粒子の配向実験(溶媒として種々のイオン液体を用い、配向挙動に与える影響を検討する)イオン液体は蒸発しないので、温度勾配を付与しやすいというメリットを活かす。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)
Polymer Journal
巻: 46 ページ: 704-709
10.1038/pj.2014.44
Polymer
巻: 55 ページ: 2562-2569.
10.1016/j.polymer.2014.03.048
巻: 46 ページ: 42-51
10.1038/pj.2013.60