研究領域 | 元素ブロック高分子材料の創出 |
研究課題/領域番号 |
25102525
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
森末 光彦 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (40403357)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 超分子化学 / 高分子合成 / 自己組織化 |
研究概要 |
配位子とポルフィリン金属錯体が交互配列したポルフィリンアレー二重鎖構造の構築を行った。熱力学的に再安定構造である二重鎖を選択的に形成することができ、しかも二重鎖中では励起子相互作用によってパイ電子系が拡張することを見出した。さらにこれを構成ユニットとした超分子ポリマーの構築を行った。溶液中および薄膜中において、著しく拡張したパイ電子系を構築する新規手法について検討を行った。この結果、溶液中で非常に低濃度においても高分子量の超分子ポリマーを構築することに成功し、この構造は外部から競争的配位子を添加することによって自在に構造制御可能であった。さらに溶液中で高分子量化が困難な場合でも、薄膜化することによって近赤外領域まで非共有結合を介してパイ電子系を拡張することに成功した。さらに、ポルフィリンと種々の機能団をヘテロ積層した超分子元素ブロックの構築に関しても、種々の構造体の構築の検討を行った。このうちBODIPYアレーとポルフィリンアレーをハイブリッド化すると、光キャリア生成できるという予備的知見を得た。さらに、新規パイ電子系として超分子これに関しては、前駆体合成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的としている元素ブロックの合成に向けた原料合成を行った。これに関しては、合成上の問題に直面したが、これを克服できる見通しである。他方で新規に合成を行った分子に関して、超分子ポリマー化を行うための新規手法の検討の結果、結合定数に関係なく薄膜化することによって、近赤外波長領域にまで吸収帯が伸長した狭バンドギャップ構造を構築できることが判った。この結果から、当初の目的化合物の合成後の検討条件について、適切な条件を得ることができており、目的化合物の合成後の物性評価に速やかに移行できる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に合成上の問題点が明らかとなったが、これを解決して目的化合物の合成を引き続き続ける。さらに初年度に成功した新規超分子ポリマー化手法によって、この材料機能の評価を行う。とくに領域内の共同研究を通じて、超分子元素ブロック高分子構造を基盤とする、新しい機能開拓に挑戦する。
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