公募研究
チオラート保護金25量体クラスター(Au25(SR)18)は、高い安定性を有し、バルクの金では見られない物性を発現すことから、新規機能性材料として注目されている。一方で、硫黄(S)よりも、金属性の高いテルル(Te)をアンカーに含むテルロラート(RTe)は、クラスターに電気伝導性を付与させる上で有効な配位子と考えられる。そのため、テルロラート保護金クラスターについては多くの合成例が報告されているが、そのほとんどが酸化物を含んでいる。テルロラート保護がクラスターの物性に与える影響を明らかにするためには、酸化物を含まないクラスターの合成が必要である。本年度の研究では、未酸化テルロラート保護金25量体クラスターの合成に成功した。合成には配位子交換反応を用いた。前駆体となる[Au25(SC8H17)18]-をジクロロメタン溶液中に溶解させ、クラスターに対して1.5倍、4.5倍、6.5倍、7.0倍のジフェニルジテルリド((TePh)2)を加えて室温で撹拌した。こうして得られたクラスターを、ESI質量分析、X線吸収分光などにより評価した。生成物のESI質量スペクトルにおいて、[Au25(TePh)n(SC8H17)18-n]-(n = 0-18)に帰属されるピークのみが観測された。こうして合成されたクラスターが未酸化であることを確認するために、300Kにて、クラスターのEXAFS測定を行った。生成物のスペクトル中には、Te-Oに帰属される位置にピークは観測されなかった。これらの結果から、未酸化のテルロラート保護金クラスターの合成に成功したことが明らかになった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 6件)
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