公募研究
平成25年度では、引張試験後のTEMによる詳細な組織観察から、複数の変形機構が働いてることを示唆する結果が得られた。平成26年度では、その結果を踏まえ、より定量的なin-situ法である引張変形時の変形挙動をJ-PARCの「匠」(中性子回折)を用いて塑性変形挙動の解析を実施した。具体的には、均質化処理材と冷間圧延加工材を用いて、中性子回折によるその場観察実験を行い、変形機構の調査を行った。均質化材はTransformation Induced plasticity (TRIP)効果により優れた延性を有しており,変形誘起マルテンサイトはRD//<001>γの結晶粒から生成しやすい傾向が見られた。一方、冷間圧延加工材についても、変形誘起マルテンサイトに起因する回折強度の変化が観察された、と同時に、RD//<111>γの結晶回転を伴う回折強度の増加が真ひずみの増加に伴って認められ、約2000MPaの高強度レベルで複数の変形機構が時系列的に逐次発現している可能性を示唆する結果も得られた。詳細なメカニズム解明については、さらなる変形挙動の解析をマクロからナノに亘って、様々な階層で詳細に実施する必要である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件)
Scripta Materialia
巻: 101 ページ: 87, 90
Proceeding of the 4th International Symposium on Steel Science (ISSS2014),
巻: 1 ページ: 159, 162