公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
超新星爆発は宇宙で最大規模の爆発であり、その明るさは星の集合体である銀河に匹敵する。そのため、古来より数多くの観測がなされているが、爆発メカニズムはいまだに分かっていない。本研究は、このような超新星爆発のメカニズムを明らかにすることが目標である。また、超新星に付随するガンマ線バーストの研究も同時に進めている。当該年度の成果は以下のものである。これらの成果は全て論文にまとめ公表した。1) 超新星爆発における原子核物理の影響について調べた。特に、対称エネルギーの違いが核密度の状態方程式を通してダイナミクスに与える影響に着目し、1 次元と 2 次元のニュートリノ輻射流体シミュレーションを様々な状態方程式を用いて系統的に行った。2) 新たに発見された非常に継続時間の長いガンマ線バーストの生成メカニズムを提唱した。具体的には、青色超巨星から生まれたとすると通常よりもはるかに長い継続時間が説明できることを示した。また、そのカウンターパートとして可視光などで観測可能な放射があることを予言し、超光度超新星と呼ばれる超新星の中でも最も明るい種族が付随している可能性を指摘した。3) 2) で提唱したモデルを実際に観測された複数のガンマ線バーストに適用した。特に、残光時に観測された増光が予言されたカウンターパートで説明可能であることを示した。4) パルサーは超新星の際に形成される中性子星である。パルサーの放射メカニズムを明らかにするには、パルサー周りの磁気圏を与えるパルサー方程式を解く必要がある。その解法はいくつか提唱されていたものの、赤道面に強い電流を流す必要があり不自然な解を構築するものだった。そこで、新たな解法を提案し、赤道面の電流が付随しない解を作ることができることを示した。
2: おおむね順調に進展している
当該年度は 4 本の論文を出版し、2 本が受理され、さらに 2 本が投稿中である。概ね順調に進行していると言える。
すでにシミュレーションコードはできているので、実際に計算を行うモデルの選定、シミュレーションジョブの投入・実行、解析、論文執筆と一連の作業を一つずつ進めて行く。特に大きな問題はないと考えている。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
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