公募研究
当初の計画通り、東京大学木曽観測所の1mシュミット望遠鏡と広視野カメラKWFC (Kiso Wide Field Camera)を用いて、高頻度の突発天体サーベイをKiso Supernova Survey (KISS)を推進した。平成25年度から本格的な遠隔・自動観測の整備を始め、平成26年度後半の観測からは完全に自動でサーベイが実行された。平成26年度は約100晩の観測の結果、37天体の超新星爆発候補天体を発見し、そのうち9天体の分光同定に成功した。フォローアップ分光に成功した天体数は平成25年度に比べて2倍程度増加している。サーベイの戦略と、約2年間の初期成果をまとめた論文をPublication of Astronomical Society of Japanに投稿し、出版した。また、高頻度の反復観測によって、特異な活動銀河核の短時間(~1日)変動を捉えた。すばる望遠鏡、国内の中小口径望遠鏡、さらにSwift衛星により追観測を行った結果、この天体が(1) 比較的軽いブラックホール質量(1E7太陽質量)をもつこと、(2)非常にradio loudであり(radio loudness parameter ~ 400-3000)、100kpcもの広がった電波の構造をもっていること、(3) Eddington光度に近いフラックスをもつことが分かった。これらの特徴から、この天体が急速に成長している途中のブラックホールをもち、かつ可視光の変動はジェットからの放射が原因であると解釈した。超新星の最初の瞬間(ショックブレイクアウト)を狙うサーベイ本来のターゲットではないものの、ユニークな高頻度の反復観測によって、新しい種類の現象が捉えられた例となった。この成果をまとめた論文をAstrophysical Journal Lettersに投稿し、出版した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 8件)
The Astrophysical Journal Letters
巻: 793 ページ: L26 (6pp)
10.1088/2041-8205/793/2/L26
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 66 ページ: 114 (16pp)
10.1093/pasj/psu105
巻: 795 ページ: L4 (5pp)
10.1088/2041-8205/795/1/L4
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society Letters
巻: 445 ページ: L99-103
10.1093/mnrasl/slu146
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: 443 ページ: 67-71
10.1093/mnras/stu1124
Astronomy & Astrophysics
巻: 567 ページ: 29 (9pp)
10.1051/0004-6361/201423572
巻: 787 ページ: L4 (5pp)
10.1088/2041-8205/787/1/L4