研究領域 | 重力波天体の多様な観測による宇宙物理学の新展開 |
研究課題/領域番号 |
25103516
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
辰巳 大輔 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (70333276)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 重力波 / 突発性雑音 / オンライン解析 / 低温重力波検出器 |
研究概要 |
KAGRA で用いられるデータ取得システム、オンライン・データモニター・ツール群を利用した突発性雑音源の解析システムの基本部分について構築出来た。100 時間の観測運転については、KAGRAのトンネル工事が予定より遅れたため、高感度振動計の動作が困難な状況であった。そのため国立天文台にて高感度マイケルソン干渉計型振動計とKAGRAに準拠したデータ取得システムを用いた試験運転を行った。この結果、地震などの大きな外乱があった場合、高感度振動計が動作不能になることが分かった。このため高感度振動計の諸特性について測定実験を行い、1.フィードバック型振動計のフィードバック振動ドライバーの能力増強、2.光学システムの一体化、を行い長期観測実験に対応できるように改良を施した。 バースト重力波解析システム構築については、本領域研究のうち計画研究 A04 班のメインの仕事であるので、新学術領域研究班と情報交換しつつシステム整備を進めている。取り組んだ課題としては如何に観測から重力波アラート発信までの時間を短縮するかである。これを実現するために神岡鉱山内から坑外解析研究棟、さらに千葉県柏市の東京大学宇宙線研究所までのデータ転送速度の実測などシステムの根幹部分の構築に取り組んだ。これまでのところ、設計通りのパフォーマンスが得られており順調にシステム構築が進んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で報告した通り、岐阜県にある低温重力波検出器 CLIO での試験運転を東京三鷹市にある国立天文台での実施に変更した以外は、概ね計画通りに研究が進んでいる。 一方、高感度振動計については長期観測実験に対応した改良を行い100時間程度の観測では十分な安定度が得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
主に、バースト重力波解析システムの整備を進める予定である。 夏までに高感度振動計・データ取得システムをオンライン解析システムとの連動動作を確認し、年度後半に向けて突発雑音解析による環境診断・雑音源特定に取り組む。 重力波アラートシステムの構築にも、新学術領域研究班と共同して取り組んでおり最終的にアラートシステムの試験運転を目指す。
|