研究領域 | 対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象 |
研究課題/領域番号 |
25103723
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
胡 暁 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA), ユニット長 (90238428)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | topology / superconductor / Majorana quasiparticle / topological insulator / 蜂の巣格子 |
研究概要 |
1次元トポロジカル超伝導の両端にあるマヨラナ準粒子を利用して、空間的に離れた二つの量子ドット間の量子絡み合い状態を生成させるデバイスを考案した。特に二つの量子ドットがそれぞれ電子によって占められる確率とconcurrenceによって表される量子絡み合い度の間の定量的関係を明らかにした。既に確立されている実験方法を用いて量子ドットの電子占有率を測定すれば、量子ドット間の非局所的絡み合いが精確に分る。この性質はマヨラナ準粒子存在の検証にも利用できる。上記研究成果はPhysical Review Bに掲載された。 蜂の巣格子上の電子が示す可能なトポロジカル状態の分類を行い、新しい統一的な理解を得た。これに基づき、新しいトポロジー数で特徴付けされる新規トポロジカル状態を見出した。また、第一原理計算を用いて量子物質の設計も行った。その結果、理論上室温でも抵抗のない電流を運べる量子物質状態が可能であることが明らかになった。この電流はスピン偏極を持ち、偏極方向は電場によって制御できるため、スピントロニクス等の応用に有利である。上記研究成果はNew Journal of Physicsに掲載され、科学誌パリティ「物理科学、この1年」にて紹介されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初研究目的は、(1)マヨラナ準粒子の操作方法と(2)新規ジョセフソン効果、(3)強靭なトポロジカル物質創製の理論的指針の研究を通じて、新規量子特性と機能の発見と設定していた。1番目と3番目の課題について、すでに論文を発表し、2番の課題についても論文作成中であり、それぞれ成果を挙げている。また、国際会議等で計12回の招待・依頼講演を行った。
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今後の研究の推進方策 |
所定の目標に向けて引き続きトポロジカル量子現象、トポロジカル物質探索の理論研究を進める。具体的には、マヨラナ準粒子の新規ジョセフソン効果、マヨラナ準粒子の操作による新規量子機能の創生、および新規トポロジカル物質について研究を展開する予定である。実験検証可能な理論提案に留意する。
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