研究領域 | 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 |
研究課題/領域番号 |
25104519
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山内 由紀子 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (10546518)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 分散システム / 自律分散ロボット群 / パターン形成問題 |
研究概要 |
本研究は,化学反応回路を単純な機能を持つ制御可能な粒子群で構成される分散システムと見なし,粒子単体では実現不可能な複雑な演算や,大容量メモリといった回路素子を粒子群の協調動作により実現する手法の確立を目標としている.本年度は当初計画とは計画年度が前後するが,自律移動ロボット群のパターン形成能力と視界の関連の解明に取組み,成果を得ている.ロボット群のパターン形成問題とは,与えられた目的配置(パターン)をロボット群で形成する問題である.本研究では,制御可能な粒子群の制御をロボット群の分散制御と考える.ロボット群が形成可能なパターンはロボット群の自己組織化能力の指標と考えられるため,ロボットの同期性,メモリの有無,視界,初期配置等,パターン形成が可能となる条件を解明することが重要である.本年度は,局所的な視界を持つロボット群の持つパターン形成能力が,大域的な視界を持つロボット群のパターン形成能力に大きく劣る事を解明し,この結果を国際会議SIROCCO 2013にて報告した. また,粒子群の相互作用により計算を行うPopulation protocol モデルにおいて,リーダー選挙を行うためのメモリ複雑度の解明や,多数の連結なモジュール群から成るモジュールロボットシステムの変形,移動問題に取り組み,成果を上げている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初期課題として設定していた課題1)離散構造の分散変換問題と2)局所的な視界を持つロボット群の制御手法は並列に遂行可能である.本年度は当初の研究計画と順番を変更し,課題2に取り組んだが,目標としていた視界と自己組織化能力の関係を解明し,成果を上げているため,問題はない.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究を通じて,パターン形成問題における決定性の分散制御手法の限界は解明しつつある.このことから,確率的な分散制御手法を検討することにより,任意の条件下でパターン形成を行うユニバーサルなパターン形成の検討に取り組む予定である. 本年度未着手である課題1)離散構造の返還問題については,来年度速やかに着手するとともに,研究最終年度の総括に向けて,取り組む.
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