研究領域 | 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 |
研究課題/領域番号 |
25104520
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
嶋田 直彦 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (10423972)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 分子ブースター / カチオン性高分子 / ウレイド基 |
研究概要 |
DNAから構築されているDNAロボットの作働機構の多くはDNA鎖交換反応に基づいている。ロボットの高速化にはこのDNA鎖交換反応の促進が必須である。我々はカチオン性くし型高分子がDNA鎖交換反応を大きく加速することができることを示してきた。本年度は、さらにこの反応を加速させるために、様々な新規のカチオン性くし型高分子を設計合成した。具体的にはDNA鎖交換反応には本質的にDNA二重鎖の熱的安定性を低下させる官能基をカチオン性くし型共重合体に導入する必要があると考えた。カチオン性くし型高分子はポリアリルアミングラフトデキストラン(PAA-g-Dex)を選択した。PAA-g-DexにDNAの熱的安定性を低下させるであろういくつかの官能基を様々な導入率で修飾した高分子を合成した。透析により精製を行い、H-NMR等によって同定を行った。いずれの高分子も収率良く合成できた。これらの高分子がDNA鎖交換反応に与える影響を蛍光測定ならびにゲル電気泳動法を使って評価した結果、尿素基をある程度導入したポリアリルアミン-co-アリルウレアグラフトデキストランが鎖交換反応を大きく加速できることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、分子ロボットの駆動部位に相当するDNA ナノマシーンのための分子ブースターとして最適な分子構造を決定することが目的であった。当初の予定どおりいままでの高分子よりも分子ロボットを高速化できるであろう高分子構造を設計合成できた。よって本課題はおおむね順調に推移していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
分子ロボットの構造部位に相当する複雑なDNA ナノ構造体の形成には長時間のインキュベートが必要である。よって、構造形成を高速化させるための分子ブースターを、本年度に作成したカチオン性グラフト高分子から選定する。またペプチドの構造体形成をブーストすブースターの設計も行う
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