研究領域 | 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 |
研究課題/領域番号 |
25104523
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
礒川 悌次郎 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70336832)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スウォームネットワーク / 計算万能性 / ブラウン運動 / チューリング機械 / エージェントモデル / セルオートマトン |
研究概要 |
これまでに提案してきたスウォームネットワークの改良に焦点を当て研究を展開した.従来のスウォームネットワークにおいては,ネットワークを構成する各エージェントには一定方向に向けて駆動力を発生する機構が必要であったが,現実の分子システムにおいて発生する駆動力としては熱運動(ブラウン運動)を考慮する必要がある.平成25年度においては,ブラウン運動に基づきランダムに移動するエージェントを用いて信号伝達を行うことが可能なエージェントモデルを提案することができた.また,論理演算素子についても現在検討をすすめており,平成26年度においては,信号伝達素子・論理素子を統合し,計算万能(チューリング機械を構成できる)なエージェントを提案する予定である. 上記研究と平行して,DNA架橋アクリルアミドゲル分子を用いた計算システムであるゲルオートマトンについても検討を行っている(東京大学,広島大学,情報通信研究機構との共同研究).さらに,生体のDNA分子系に基づく自己複製シミュレーションについても非同期セルオートマトンモデルに基づくモデルを構築してきた(国際学会AFCAにおいて発表を行った).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スウォームネットワークモデルの改良については,ブラウン運動に基づく信号伝達機構が構築できた.また,ブラウン運動に適応した論理素子開発についても目処が立っている.ゲルオートマトンモデルについては,過去に提案した拡散現象に対応しているモデルの再構築を行えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度においては,ブラウン運動に対応したスウォームネットワークモデルにおける論理素子の開発を行い,計算万能なシステムの構築を目指す.ゲルオートマトンに関する研究においては,非同期セルオートマトンモデルを用いた拡散現象に基づく計算モデルの改良を行う予定である.
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