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2013 年度 実績報告書

アメーバロボット内部に構成部品の非対称分布を作り出す手法の確立

公募研究

研究領域感覚と知能を備えた分子ロボットの創成
研究課題/領域番号 25104526
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関北海道大学

研究代表者

小笠原 慎治  北海道大学, 創成研究機構, 特任助教 (50462669)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードアメーバロボット / タンパク質局在
研究概要

本課題では、 “タンパク質発現の光制御法”を使いアメーバロボット内部に構成部品(タンパク質)の非対称分布を構築する方法を確立することが目的である。本年度は新規光応答性capの開発、光応答性capを含有したmRNAの合成および微小管の伸長を促進するタンパク質と崩壊を促進するタンパク質の評価・選定を行う予定であった。
アメーバロボットの運動方向を操作するには2種類のタンパク質の発現を同時かつ独立に制御する必要があり現在の405nmと312nmに応答する光応答性capに加え、その波長とオーバーラップしない領域の光で異性化する新しい光応答性capの開発をおこなった。具体的には、申請者が以前開発した460 nmの光 でtrans体からcis体へ、550 nmの光でcis体からtrans体へ異性化するグアノシン誘導体の7位をメチル化しcapを合成した。この新しいcapは460nmの光を照射している間だけタンパク質を発現させられる特性を有していた。
当初は微小管の伸縮をロボットの動力として考えていたが、候補に考えていたタンパク質ではうまくいかなかったため、動力をアクチンフィラメントの伸縮へと切り替えた。線維芽細胞へ光応答性capを5'末端に付加したHasタンパク質のmRNAをインジェクションし、405nmの光を細胞の一部へ照射し、局所的なアクチンフィラメントの伸長反応を誘導した結果、光照射部位の細胞膜が時間の経過とともに伸長する様子が観測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は新規光応答性capの開発、光応答性capを含有したmRNAの合成および微小管の伸長を促進するタンパク質と崩壊を促進するタンパク質の評価・選定を行う予定であった。
新規光応答性capの開発、光応答性capを含有したmRNAの合成までは目標を達成することができた。しかし、微小管の伸長を促進するタンパク質と崩壊を促進するタンパク質の評価・選定においては、当初は微小管の伸縮を利用し細胞の動きを光操作することを試みていたが、微小管の伸縮を促進するタンパク質が見出せなかったため駆動力をアクチンフィラメントの伸縮に切り替えた。そのため当初の計画よりやや遅れて進行している。

今後の研究の推進方策

本年度までに達成できなかった課題であるアクチンフィラメントを崩壊させるタンパク質の選別をおこなう。それが完了した後、線維芽細胞内でアクチンフィラメントの伸長を促進するRasタンパク質とアクチンフィラメントの崩壊を促進するタンパク質の発現を別々の光応答性capで個別に制御し、細胞の運動方向を光操作する。その後、26年度の計画であるアメーバロボットの作製およびアメーバロボットの運動方向の光操作を手がける。その際、人工リポソームの作製においては班内の専門家との共同研究を考えている。

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公開日: 2015-05-28  

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