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2014 年度 実績報告書

電子格子相互作用に起因する電子物性解明と物質設計

公募研究

研究領域コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
研究課題/領域番号 25104711
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

是常 隆  独立行政法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 上級研究員 (90391953)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード物性理論 / 第一原理計算 / 電子格子相互作用
研究実績の概要

近年グラフェンの応用が盛んに議論されているが、実用的にはなんらかの方法でバンド構造、特にバンドギャップを制御することが非常に重要となる。そこで前年度開発した、電子格子相互作用に起因する電子状態の変化を第一原理的に計算する手法を用いて、グラフェンにおける同位体を用いたバンド構造制御の可能性を調べた。その結果、電子格子相互作用によってグラフェンのバンド構造が数十meVのオーダーで変化することが分かった。これは、12Cのみでできたグラフェンと13Cのグラフェンでバンド構造が数meVのオーダーで変化することを示している。特に、グラフェンの仕事関数、すなわちDirac点の真空準位からの深さが12Cと13Cで異なることが分かった。これは、12Cと13Cからなるグラフェンの接合を作れば、自動的にpn接合ができることを意味している。また、12Cグラフェンと13Cグラフェンからなる2層グラフェンも興味深い電子状態を示すことが期待される。さらには、同位体を周期的に並べるだけでその周期を制御できればギャップを開けることができることを示した。
また、今後の物質設計に向けて、物質の表面構造に着目し結晶内部と表面でどのような構造の違いが現れるか、さらにはそれがどう物性に寄与するかを、テトラセンを例にとって調べた。その結果、テトラセンでは表面一層だけ結晶内部と大きく構造が異なることが実験的に観測され、理論的にも第一原理計算によって表面構造が大きく変化しうることが分かった。さらにはその構造変化が輸送特性に大きな違いをうむことを明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Large surface relaxation in the organic semiconductor tetracene2014

    • 著者名/発表者名
      Hazuki Morisaki, Takashi Koretsune, Chisa Hotta, Jun Takeya, Tsuyoshi Kimura and Yusuke Wakabayashi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 5 ページ: 5400 1-6

    • DOI

      doi:10.1038/ncomms6400

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Electronic Structures of Carbon-Doped Hexagonal Boron Nitride Sheet: A Density-Functional Study2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Fujimoto, Takashi Koretsune, and Susumu Saito
    • 雑誌名

      JPS Conference Proceedings

      巻: 1 ページ: 012066 1-4

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.7566/JPSCP.1.012066

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Electronic structures of hexagonal boron-nitride monolayer: strain-induced effects2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Fujimoto, Takashi Koretsune and Susumu Saito
    • 雑誌名

      Journal of the Ceramic Society of Japan

      巻: 122 ページ: 346-348

    • DOI

      http://doi.org/10.2109/jcersj2.122.346

    • 査読あり
  • [学会発表] ナフタレンをベースとした 有機分子における超伝導2015

    • 著者名/発表者名
      是常 隆
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2015-03-21 – 2015-03-24
  • [学会発表] Isotope dependence of the electronic structure of graphene2015

    • 著者名/発表者名
      Takashi Koretsune
    • 学会等名
      APS March Meeting
    • 発表場所
      San Antonio, Texas
    • 年月日
      2015-03-02 – 2015-03-06
  • [学会発表] Isotope effect on the band structure of graphene2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Koretsune
    • 学会等名
      ISC-QSD2014
    • 発表場所
      Univ. Tokyo
    • 年月日
      2014-12-01 – 2014-12-03
  • [学会発表] κ-(ET) Xにおける モデルパラメータの導出2014

    • 著者名/発表者名
      是常 隆
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      中部大学
    • 年月日
      2014-09-07 – 2014-09-10
  • [学会発表] 同位体を用いたグラフェン のバンド構造制御2014

    • 著者名/発表者名
      是常 隆
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      中部大学
    • 年月日
      2014-09-07 – 2014-09-10
  • [学会発表] Band Structure Engineering in Graphene using Isotope Effect2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Koretsune
    • 学会等名
      第47回フラーレンナノチューブグラフェン総合シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2014-09-03 – 2014-09-05
  • [図書] Carbon-based Superconductors - Towards High-Tc Superconductivity2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Koretsune and Susumu Saito
    • 総ページ数
      13 (chap. 4)
    • 出版者
      Pan stanford publishing

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公開日: 2016-06-01  

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