公募研究
徹底した省エネ・リサイクルを実現するためには、これまで回収が困難とされてきた150℃以下の低温排熱の有効利用が鍵であり、この分野において計算物質科学の果たすべき役割は大きい。本研究では、次の2つの項目:項目1:原子レベルでの熱電変換シミュレーション手法の開発項目2:電流と熱流の非平衡複合相関現象の解明・予測を推進した。今年度のそれぞれの項目に対する研究実績の概要を以下に記す。項目1では、昨年度に引き続き「非平衡グリーン関数法+密度汎関数法(NEGF法)」と「波束ダイナミクス法(WPD法)」に基づく熱電変換シミュレーション手法の開発を行った。特に、量子伝導領域から古典伝導領域までの全領域での熱電変換シミュレーションを実行できるようにWPD法を改良した。この方法をカーボンナノチューブに応用した結果、半導体カーボンナノチューブでは(チューブの直径にも依るが)サブ100nmでコヒーレント量子輸送から拡散的(古典的)輸送へとクロスオーバすることが明らかとなった。項目2では、遷移金属ダイカルコゲナイド物質(TMDC)の電流と熱流の非平衡複合相関現象の研究を実施した。その結果、TMDCに円偏光した光を照射すると、磁場を印加することなくネルンスト効果が生じることを発見した。また、2014年に発見されたばかりのフォスフォレン(黒リン単原子層)を伸張することで、フォスフォレンの熱電パワーファクターが変調可能であることを発見した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
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