研究領域 | 直截的物質変換をめざした分子活性化法の開発 |
研究課題/領域番号 |
25105702
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有澤 光弘 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40312962)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ナノ粒子 / 環境 / パラジウム / 電子顕微鏡 / X線 / カップリング / リガンドフリー |
研究概要 |
本申請研究では、既に申請者らが見いだしている硫黄修飾金担持型パラジウム(Sulfur-modified Au-supported Pd: SAPd)の研究成果を礎に、新しい反応場である硫黄修飾金の生成機構や物性等学術的特徴をまとめている。すなわち、今年度は、SAPdが自己組織的多層状Pdナノ粒子触媒であることが分かり、繰返し利用や金属種低漏洩のメカニズムを知る上で重要な知見を得ることに成功した。また、本Pdナノ粒子触媒の粒子径は約5 nmであること、構成物はゼロ価Pd種であることも分かり、今後、更に高活性な触媒や別の金属種のナノ粒子触媒を理論的に製造する道筋を立てることが出来た。ナノ粒子触媒の有用性は古くから知られているが、再現性良く粒子径を整え、化学実験に適応することは難しかった。しかし、SAPd製造方法を用いれば、5 nm程度の高活性Pdナノ粒子触媒を再現性良く化学合成に利用することが出来る。触媒を使用する反応条件は極めて重要であり、適切な反応条件を用いれば、SAPdが炭素(sp2)-水素活性化反応だけでなく、炭素(sp3)-水素活性化反応の触媒になることも分かった。触媒量のゼロ価ナノ粒子触媒が、炭素(sp3)-水素活性化反応の触媒になることは、Pdナノ粒子触媒の汎用性を開くものである。更に、SAPdの利点を応 用し、フローシステム(試作機)の開発に成功した。現在、本試作機から得られたデータを基に、より小電力で、効率の良いフローシステムの製造を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の当初研究目的の達成度は約90%である。引き続き、次年度でも大きな成果を求めていく。
|
今後の研究の推進方策 |
SAPd適応反応を拡大するとともに、より高活性なSAPd触媒を開発する。Pd 以外の担持金属(例えば Pt、Ru、Ni、Fe)、Au 以外の基板について も包括的に展開し、環境調和型有機金属触媒を論理的に開発する。
|