研究概要 |
本研究は、容易に入手できる種々のメチルアレーン類から,対応する芳香族ニトリルや芳香族アルデヒドへの環境指向型1工程変換反応の開発にある。 A.芳香族ニトリルへの変換反応: 4-ブロモトルエン のアセトニトリル溶液に、DBDMH(1,3-dinrmo-5,5-dimethylhydantoin)及び触媒量の過酸化ベンゾイルを加えて80 °Cで2時間加熱撹拌した。この後、反応液を冷却し、単体ヨウ素とアンモニア水を加えて、60 °Cで12時間加熱撹拌した。反応後、溶液を分液処理することにより、4-ブロモベンゾニトリルが87%収率で得られた。この手法で一連のメチルアレーンを対応する芳香族ニトリルへ好収率且つ1工程で変換できた。本手法は医薬品Febuxostatの合成にも展開できた。 B. 芳香族ニトリルへの変換反応: 次に、本反応で用いる試薬をすべて無機試薬にした反応系を検討した。つまり、4-ブロモトルエンのaq. HBr (47.0-49.0 %)と水 (1.0 mL)の溶液を60 ℃に加温して、H2O2 (30.0-33.5 %)をゆっくり滴下しながら、1時間60 ℃で加熱撹拌した。室温まで冷ました後、単体ヨウ素とアンモニア水,及びアセトニトリルを加えて、60 °Cで12時間加熱撹拌した。反応後に溶液を分液処理することにより、4-ブロモベンゾニトリルが91%収率で得られた。この手法で一連のメチルアレーンを対応する芳香族ニトリルへ好収率且つ1工程で変換できた。この手法で,乳癌剤Letrozoleがビス(4-トリル)ケトンから高収率で合成できた。 C. 芳香族アルデヒドへの変換反応: 4-ブロモトルエンのアセトニトリル溶液に、DBDMH 及びAIBNを加え、6時間加熱還流をした。反応後、溶媒を除去し、残留にN-メチルモルホリン N-オキシド(NMO)及びプロピオニトリルを加え、2時間還流をした。反応後、溶液を分液処理することにより、4-ブロモベンズアルデヒドが75%収率で得られた。この手法で一連のメチルアレーンを対応する芳香族ニトリルへ好収率且つ1工程で変換できた。
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