研究実績の概要 |
1,1-二置換アルケン部位をもつ1,6-エンインに、カチオン性ロジウム/BINAP錯体触媒及び安息香酸触媒を作用させると、1,6-エンインの架橋鎖部位に存在するカルボニル基の配位により鎖状有機ロジウム中間体からγ位のC-H結合切断が進行し、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン誘導体への不斉環化異性化反応が進行することを見出した。また、カチオン性ロジウム/BINAP錯体触媒を用いると、5-アレナールとアルキンとの不斉[2+2+2]付加環化反応が室温で進行し、対応するジヒドロピラン誘導体が中程度の収率ながら高いエナンチオ選択性で得られることを見出した。さらに、カチオン性ロジウム/Segphos錯体触媒を用いた分子内不斉[2+2+2]付加環化反応による、[11]ヘリセン誘導体の不斉合成にも成功した。
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