研究領域 | 多面的アプローチの統合による計算限界の解明 |
研究課題/領域番号 |
25106508
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
宇野 裕之 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60244670)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アルゴリズム / パラメータ化計算 / 計算複雑さ / 情報基礎 |
研究概要 |
本研究は,アルゴリズム設計・解析や計算複雑さの分野で近年急速な進展を見せるパラメータ化計算の枠組みのもとで,計算複雑さの上下界を明らかにする固定パラメータアルゴリズムやパラメータ化計算複雑さ理論を対象としている.なかでも,過去の研究でも扱った離散最適化問題を対象に含め,パラメータ化計算や厳密計算の視点から再検討を行い,高速厳密アルゴリズムを設計することを目的とする.これにより,計算複雑さを分離する状況証拠を積み重ね困難さの原因に対する知見を獲得し, ひいてはP=NP?問題の解決への側面からの貢献を目指す. 初年度は,固定パラメータアルゴリズムの設計を目指す具体的な計算問題として, 現在専門とするグラフ・ネットワーク分野で興味を持つ問題を扱うことを目標とした.その結果,次に挙げるような結果を得た. 1.グラフ描画. 計算幾何学の一分野でもあり, 道路交通網やVLSI レイアウトなど, 実用上の意味を持つネットワーク構造を‘わかりやすく’ 描くことを目的とする. その尺度としては平面上に描いたときの交差数などがあり, これはグラフの重要な概念である平面性と密接に関連している. 具体例として, 地下鉄路線図描画問題を検討し,ある設定のもとでの問題の困難性および固定パラメータアルゴリズムの存在性をそのアルゴリズムとともに示した. 2.グラフの支配点集合は古典的かつ基礎的・重要な問題である.これを一般化したものに(全,部分)ベクトル支配点集合問題があり,この問題に対して平面的なグラフにおいては劣指数時間固定パラメータ容易であることなどを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,アルゴリズム設計・解析や計算複雑さの分野で近年急速な進展を見せるパラメータ化計算の枠組みのもとで,計算複雑さの上下界を明らかにする固定パラメータアルゴリズムやパラメータ化計算複雑さ理論を対象とし,過去の研究でも扱った離散最適化問題を対象に含め,パラメータ化計算や厳密計算の視点から再検討を行い,高速厳密アルゴリズムを設計することを目的とするが,とくに初年度は,固定パラメータアルゴリズムの設計を目指す具体的な計算問題として, 現在専門とするグラフ・ネットワーク分野で興味を持つ問題を扱うことを目標とした.これに対してグラフ描画における複数の線分の交差数最小化やグラフの支配点集合問題などの重要な問題に対して,いくつもの重要な成果を得ることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
二年度目は,初年度に手がけた問題を継続するとともに,グラフアルゴリズムの分野できわめて重要な問題であり,アルゴリズム設計・解析の画期的な新手法を次々と生み出す, この分野を牽引する原動力的な計算問題の一つとなっている,グラフの最長路とハミルトン性. グラフにおける最長(閉) 路やハミルトン(閉) 路を扱う予定である.本研究では正方, 三角, 六角格子グラフなど規則的で特殊なグラフを対象にして, 既存手法の適用による固定パラメータアルゴリズム設計や,問題の特殊性を利用した高速化のための新しい設計・解析技法の開発を目指す.また類似の問題に辺ハミルトン問題があるが,この問題に対する固定パラメータの観点からの研究は少ないので,同時にこれも扱いたい.その他には,グラフ彩色問題とその一般化バイオインフォマティクスに由来する計算問題を順次扱う予定である. 本研究は,アルゴリズム設計・解析や計算複雑さの分野で近年急速な進展を見せるパラメータ化計算の枠組みのもとで,計算複雑さの上下界を明らかにする固定パラメータアルゴリズムやパラメータ化計算複雑さ理論を対象としている.なかでも,過去の研究でも扱った離散最適化問題を対象に含め,パラメータ化計算や厳密計算の視点から再検討を行い,高速厳密アルゴリズムを設計することを目的とする.これにより,計算複雑さを分離する状況証拠を積み重ね困難さの原因に対する知見を獲得し, ひいてはP=NP?問題の解決への側面からの貢献を目指す. 初年度は,固定パラメータアルゴリズムの設計を目指す具体的な計算問題として, 現在専門とするグラフ・ネットワーク分野で興味を持つ問題を扱うことを目標とした.
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