研究領域 | 人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換:実用化に向けての異分野融合 |
研究課題/領域番号 |
25107503
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80176924)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 酸化チタン / アナタース / 十面体形状 / 結晶格子面 / アスペクト比 |
研究概要 |
(1)十面体および八面体形状アナタース酸化チタン光触媒粒子の調製: 研究代表者らのこれまでの研究実績をもとに気相急速加熱急速冷却法をつかって熱力学的な平衡に達しない条件で塩化チタン(IV)と酸素を反応させ,{101}面と{001}面が特異的に露出した煙状の十面体形状アナタース型酸化チタン粒子を合成した.装置の運転条件の調節により,十面体のアスペクト比,すなわち{001}面露出の割合が異なるものを調製した.この評価の基準としてXRDパターンから得られるアスペクト比を導入し,これをつかって評価した.また,これらの実験の比較試料としてチタン酸ナノワイヤーを原料として水熱法により調製した{101}面のみが露出した八面体形状アナタース型酸化チタンを調製し,その構造と光触媒活性を調べた. (2)ゼータ電位のpH滴定による等電点の測定と光触媒反応のpH依存性の検討: 水中でのゼータ電位測定結果から各ファセットの荷電状態を推定し,それが光触媒活性にあたえる影響を吟味するため,pHを変化させながら水分散状態でのゼータ電位測定を行い,各種のアスペクト比のサンプルについてその等電点が異なることから,各露出面の酸性を推定した. (3)走査熱重量測定による表面吸着水・水酸基の評価: 走査熱重量測定により表面吸着水量を定量した.気相反応で調製したのち,水洗浄―凍結乾燥したものは比較的水分量が少ないことが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画の各項目について実施した.
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今後の研究の推進方策 |
結晶格子面によりその表面酸性質が異なることが明らかになったので,これに対しての理論的裏付けを得るために計算化学的な手法を用いる.
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