公募研究
1.ピリジンペンダントを有する3座ピリジルアミン配位子、及びそのCu(II)錯体を合成し、そのキャラクタリゼーションを行った。各種分光学測定により、その錯体は水溶液中で三方両錐型5配位構造を取っていることがわかった。また、各種電気化学測定により、銅中心の酸化還元電位はpHに依存しないことがわかった。さらに、非キレートペンダントピリジンにおけるプロトン化により、pH 4.2では酸素の4電子電解触媒的還元反応が高い選択性で進行することを明らかにした。しかしながら、そのCu(II)錯体を用いたCO2の電解還元は進行しなかった。2.ピリジン環を有する各種スルフィド誘導体配位子を合成し、それらのNi(II)錯体の合成とキャラクタリゼーションを行った。メタノール中における電気化学測定の結果、Ni(II)/Ni(I)の酸化還元電位において、CO2の還元に由来する触媒電流を観測した。触媒電流のオンセット電圧の最高値は-0.85 V (vs SCE)で、kcatは0.48 /sであった。このとき、2電子還元生成物であるCOが生成していることがガスクロマトグラフィにより示された。3.4つのメソフェニル基のパラ位にカルボキシル基を導入した、サドル型歪みを呈するドデカフェニルポルフィリンとそのCu(II)錯体を合成し、その結晶構造解析を含むキャラクタリゼーションを行った。その結果、直径約4.5オングストロームのチャンネル構造が形成されていることがわかった。さらに、1気圧273 Kで吸着等温線を測定したところ、その超分子構造の細孔に8cm-3/gのCO2が吸蔵されることが明らかとなった。この銅錯体は、超分子構造を崩壊させてパウダー状になっても、1気圧273 KでCO2を吸蔵することも示された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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