研究領域 | 人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換:実用化に向けての異分野融合 |
研究課題/領域番号 |
25107520
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
白上 努 宮崎大学, 工学部, 准教授 (60235744)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 人工光合成 / 金属ポルフィリン / 可視光 / 水の酸化 / 典型元素 |
研究概要 |
軸配位水酸基を持つゲルマニウムポルフィリン錯体が吸着した酸化チタン・ITO複合電極を作製に成功した。作製した複合電極を作用極(酸化末端)、白金を対極(還元末端)とする光電池を組み立てたところ、シクロヘキセンおよびメタノール等のアルコール類を電子源とする光電流が観測された。このことは、水分子を電子源とした二電子酸化系の構築における鍵中間体となるゲルマニウム-オキソポルフィリン錯体が酸化チタン電極上で生成していることを示している。この結果をもとに、本光電池系において、電子受容体となる塩化白金酸カリウム存在下、水分子の過酸化水素への光二電子酸化反応を検討した結果、複合電極への可視光照射によって、光電流が観測されると共に、電解質溶液内に過酸化水素の生成が確認された。このことから、ゲルマニウムポルフィリン錯体は水分子を可視光酸化できる有効な増感剤であることが明らかになった。 一方、水分子の四電子酸化による酸素発生系の構築には、2つの軸配位水酸基がface to faceに配向できる錯体設計が必要になる。それぞれ軸配位水酸基を持つカチオン型錯体とアニオン型錯体の分子間静電相互作用を利用したface to face型二核錯体の調製を試みた結果、軸配位水酸基を有するカチオン型アンチモンポルフィリン錯体とアニオン型アンチモンポルフィリン錯体の合成までは成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲルマニムポルフィリン錯体を用いた光電池系では、シクロヘキセンおよびアルコール類からの光電流が測定できたこと、並びに水分子からの過酸化水素の生成が認められたことから、平成25年度での研究計画の内容はほぼ達成している。また、酸素発生型錯体の合成についても、その合成方法の開発までは達成できている。したがって、現在までの達成度としては、おおむね順調に進行していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度で得られた研究結果から、水分子からの過酸化水素の生成系に着目し、反応効率の向上に向けた方策を検討する。また、還元末端からの水素発生系の構築を目指す。酸素発生系においては、face to face型のアンチモン二核ポルフィリン錯体の合成を行い、電気化学的酸素発生を目指す。以上のことから、本領域研究の主眼となる水分子を電子源とした人工光合成型エネルギー変換系の開発を目指す。
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