研究領域 | 融合マテリアル:分子制御による材料創成と機能開拓 |
研究課題/領域番号 |
25107726
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
星野 友 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40554689)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナノゲル / pKa変化 |
研究概要 |
アミン含有ナノゲル粒子のpKaが相転移温度前後で8から6に低下することを見いだし、このナノゲル水溶液が相転移前後で効率よく酸性ガスを吸収放散する事を明らかにした。さらに、アミン含有ナノゲル粒子からなるキャストフィルムが高効率かつ可逆的に酸性ガスを吸収する事を見いだした。 カルボン酸を含有したナノゲル粒子のpKaが相転移温度前後で5から7程度に上昇することを見いだし、このような大きなpKa変化達成する為には、ナノゲル重合時の水溶液のpHをコントロールする事が重要である事を明らかにした。 ナノゲル粒子を多孔性の微粒子と融合し、大量のナノゲルを担持した多孔性高分子微粒子の作成に成功した。さらに、作成したナノゲル担持微粒子を用いてタンパク質を効率よく可逆吸着できる事を確認した。 ナノゲル液膜の両側に温度勾配を形成させ材料内で異なる相状態のナノゲルを動的に融合することで効率的なプロトン輸送を達成できる事を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、アミン含有ナノゲル粒子のpKaが相転移温度前後で低下することを見いだし、このナノゲル水溶液が相転移前後で効率よく酸性ガスを吸収放散する事を明らかにした。さらに、アミン含有ナノゲル粒子からなるキャストフィルムが高効率かつ可逆的に酸性ガスを吸収する事を見いだした。同時に、カルボン酸を含有したナノゲル粒子のpKaが相転移温度前後で大きく上昇することを見いだし、大きなpKa変化達成する為には、ナノゲル重合時の水溶液のpHをコントロールする事が重要である事を明らかにした。 また、予定とおりナノゲル粒子を多孔性の微粒子と融合し、大量のナノゲルを担持した多孔性高分子微粒子の作成に成功した。さらに、作成したナノゲル担持微粒子を用いてタンパク質を効率よく可逆吸着できる事を確認した。 さらに、当初の予定通り、ナノゲル液膜の両側に温度勾配を形成させ材料内で異なる相状態のナノゲルを動的に融合することで効率的なプロトン輸送を達成できる事を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
様々な相転移温度・pKaのナノゲルライブラリーを合成し、多層に組織化する。多層化した材料に温度勾配を印加し、多段階のpKa勾配形成およびpkaの動的スイッチングを試みる。イオン輸送量・熱移動量・速度の関係から熱エネルギー変換効率を検討する。
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