公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成25年度では、原虫に対するプラズマの効果の検証に向けて以下の研究項目を実施した。1)2種類のプラズマ照射装置を原虫病研究センターに設置し、病原性原虫に対するプラズマ効果の検証実験が可能となった。2)プラズマ照射によるバベシア及びトリパノソーマの増殖抑制効果を試験管内培養法を用いて検証した。その結果、一定の条件でプラズマを照射すると、両原虫の増殖を抑制できることが判明した。3)プラズマを照射した培養液を原虫に感作すると、その後の原虫の増殖が抑制されることが明らかとなった。4)バベシアによる赤血球内増殖の機序解明に向けて、国内に分布するバベシアの生活環のまとめ、薬剤(Fusidic acid, Risedronate, Gedunin, Allicine)によるバベシアの増殖抑制の効果、バベシアの機能的抗原(TRAP, AMA-1)の赤血球への侵入時への関与についてそれぞれ明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
2種類のプラズマ照射装置を原虫病研究センターに設置し、病原性原虫に対するプラズマ効果の検証実験が可能となったこと、また実際にプラズマ照射による原虫の増殖抑制効果を証明できたことから、本研究は極めて順調に進展していると判断する。
今後は特にバベシアへのプラズマ効果に着目し、プラズマ照射によるバベシアへの増殖抑制の効果解明に向けてさらなる検証を実施する。特に、バベシアの赤血球内増殖のどのステージ(赤血球侵入、赤血球内分裂、赤血球からの脱出等)にプラズマ効果が介入するかを詳細に検証し、その作用に基づきバベシア固有の増殖機序を解明する。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件)
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