研究概要 |
低温・大気圧プラズマの医療応用には、相互作用の本質を決定する「プラズマで生成される活性な粒子と生体との反応」をプラズマ照射側と生体側の両立場で分子レベルから捉えて、プラズマの生体への影響を解明し、相互作用を定量的に評価することが不可欠である。 そこで、プラズマと細胞・生体との相互作用について、化学・分子・細胞の各水準で検討し、その定量的評価を行い、併せて治療応用を目指し、「プラズマによるゲノム応答生物学の確立と治療への展望」を目的として、以下の研究を実施した。 Arプラズマ照射条件について、発光スペクトル測定、酸素原子数の測定を行った。化学的指標として、水溶液中のOHラジカルをEPR-スピン捕捉法で調べ、同程度の細胞致死効果を指標にX線のそれと比較したところ、相対的に多い値を示した。OHラジカル以外では、H原子の生成を認めた。Kr, Ne, He等の希ガスの種類を変えたところ、イオン化エネルギーとOHラジカル量は反比例した。核酸塩基、L-アラニン、酢酸ナトリウム等で生じるラジカル種を調べたところ、OHラジカルとの反応で生じるラジカル種のみで、プラズマに特異的なラジカル種の生成はなかった
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