公募研究
プラズマからは様々な化学活性種が供給され、それらは時間とともに異なる速度定数で反応していくため、プラズマと液体が反応する系では空間的にも活性種の分布が不均一な反応場である。プラズマ処理した液体中にも活性が残存するが、これは分オーダーで活性種が残存することを意味しており、短寿命な活性種はすでに失活しており、半減時間で制限した選択的な活性種供給方法の一つである。短寿命活性種は選択性に乏しく、拡散律速で反応するため、プラズマ医療を行う上で安全性と有効性を両立させることは難しい。プラズマ処理水には短寿命な活性種は失われているものの、多くの活性種が残存する。混合状態で生体への影響を評価しても作用機序の解明にはつながらず、さらに試薬として容易に用いることができる過酸化水素、亜硝酸や、生成が容易なオゾン、利用価値は見いだしにくい生体分子(タンパク質、アミノ酸、脂質)の酸化・ニトロ化体などの影響を排除することが困難である。プラズマ処理水の殺菌活性の半減時間は、室温で数分程度で、氷冷すると数時間、冷凍すると年単位であり、上記のような安定化学種ではないことがわかっていた。プラズマ処理水を液体クロマトグラフにて分離することで有効成分の精製に成功した。特定成分の特性が、これまで判明していたプラズマ処理水の特性と一致しており、新しい選択的活性種供給方法と言える。プラズマ処理水による殺菌消毒が従来の消毒薬に比べての利点としては、体温では数秒で失活する、動物細胞の周りを覆っている生体外マトリクスの成分で失活しやすい、体液は中性pHの緩衝能を持つという点で、生体への毒性が低い事が予想される。さらに、プラズマ処理水は、過酸化水素100%相当という劇薬レベルの殺菌力を有しており、人体消毒から医療機器の滅菌まで可能である。ヒト抜去歯牙の口腔内細菌感染モデルの無菌化にも成功しており、今後の研究展開が期待される。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Japanese Jornal of Conservative Dentistry
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