研究領域 | 生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 |
研究課題/領域番号 |
25108713
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 文彦 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10127087)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生合成酵素遺伝子 / 合成生物学 / 植物有用二次代謝産物 / イソキノリンアルカロイド / 微生物生産 |
研究概要 |
植物の二次代謝産物のうち、イソキノリンアルカロイド、特に、ベンゾフェナンスリジン型アルカロイドであるsanguinarine生合成系を対象に、微生物における生合成マシナリーの構築を試みている。 1) Pichia酵母ゲノムへの多重遺伝子導入を検討し、BBE、CYP719A5、CYP719A2とP450還元酵素(CPR)の同時4遺伝子導入が可能であることを確認した。また、導入した遺伝子の酵素活性を測定した結果、遺伝子導入コピー数が多いCYP719A5のみ酵素活性を検出することができた。なお、Pichia酵母においては、植物由来のCPR遺伝子の導入/あるいは、微生物由来のCPRの過剰発現がない場合にも、CYP719A5活性を検出できることを認めた。また、別途行った形質転換実験から、ハナビシソウ由来のBBEもPichia酵母で活性を発現できることを認めた。 2) さらに、確立できたBBE、あるいは、CYP719A5を発現するPichia酵母を共培養することによりreticulineから、cheilanthifolineまでの変換反応の再構成に成功した。また、SNMT、N-methylstylopine hydroxylase の2 遺伝子の同時導入も検討し、その導入酵母の作成にも成功した。 3) 引き続き、多重遺伝子の導入を試み、少なくとも9遺伝子の導入が可能であること、また、reticulineから、cheilanthifolineまでの変換、あるいは、reticulineからtetrahydroberberineまでの変換ができる形質転換菌株を単離することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Pichia酵母に9遺伝子を同時導入できることを明らかにし、既に、reticulineから、cheilanthifolineあるいは、tetrahydroberberineまでの変換が可能な株を単離している。
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今後の研究の推進方策 |
より、精力的に生合成酵素遺伝子の単離と発現ベクターの構築と導入を行い、多様なイソキノリンアルカロイドを産生できる形質転換株を作成する。同時に単離した菌株を用いて、イソキノリンアルカロイドの生産条件の検討を行う。
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