公募研究
代謝経路解析は代謝工学だけでなく、計画的な創薬研究にも重要である。しかし、薬理活性のある天然物やその他の代謝物の数に比べて、その生合成・生分解経路が明らかになっているものの数は極めて少ない。そこで本研究では、メタボローム(網羅的代謝解析)スケールの多数の化合物に対し、その化学構造データのみから新規代謝経路を推定する手法の開発を進めている。既知の代謝経路中の反応パターンを用いた解析から、代謝経路中の酵素反応はただ無秩序に並んでいるのではなく、保存された連続反応モジュールが存在していることが知られ、それらの中にはゲノム中の遺伝子クラスター構造と対応関係にあるものもある。このような知見から我々は、代謝経路を構成する反応のひとつひとつを単独で取り扱うだけでなく、連続反応を考慮に入れた研究を行なった。本研究では先行研究の「酵素反応らしさ」をより一般化した「kステップ反応らしさ」を扱い、2つの化合物が与えられたとき、その出発物質と最終産物が何ステップの反応で結ばれるか、そしてその中間体構造は何かを推定する問題を解いた。様々な化合物表現法と予測法による予測精度を比較した結果、KCF-Sベクトルを用いたL1SVMが最も良好であることが分かった。以上の結果は、生命情報学分野で世界最大の国際学会であるISMB 2014に採択され口頭発表した上、同分野での最有力誌であるBioinformatics誌に掲載された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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