公募研究
アルカロイドは有史以前から鎮痛剤、治療薬、嗜好品、染料として用いられているが、その生合成には不明な点が多い。tropane alkaloidの生合成はN-methyl-Δ1-pyrroliniumと3-oxoglutaric acidの分子間不斉Mannich反応を鍵反応とするが、本反応を触媒する酵素は同定されていない。N-methyl-Δ1-pyrroliniumはリジン由来のアルカロイドの生合成中間体であり、その微生物生産系はアルカロイドの安価大量生産を可能にする。我々はN-methyl-Δ1-pyrroliniumを生産する組換え大腸菌を作製した。タバコNicotiana tabacum由来のPMTとMPOのcDNAを大腸菌で発現させ、各生成物のダンシル化体をHPLC、LC-MSにより分析した。その結果、PMTを発現させた大腸菌はmethylputrescineを生産した。PMTとMPOを共発現させた大腸菌ではmethylputrescineの生産量が減少しており、また、PMTとMPOのin vitro反応では微量の4-methylaminobutanalが検出された。N-methyl-Δ1-pyrroliniumは不安定な化合物のため、大腸菌内で安定に存在できないと考えられる。次に、N-methyl-Δ1-pyrroliniumを合成した。NMRおよびMS解析により同定し、固相抽出法および陽イオン交換カラムを用いたHPLC分析系を構築した。最後に、植物由来のcDNA の微生物における発現ライブラリーを作製した。4種類の植物の葉からのライブラリーの構築に成功した。今後、N-methyl-Δ1-pyrrolinium、3-oxoglutaric acidと反応させることで不斉Mannich反応を触媒する酵素をスクリーニングする
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 79 ページ: 830-835
10.1080/09168451.2014.993915.
Journal of Antibiotics
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