研究領域 | 生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 |
研究課題/領域番号 |
25108722
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
藤井 勲 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (70181302)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 菌類 / ゲノム / 海洋資源 / バイオテクノロジー / ポリケタイド |
研究概要 |
海生糸状菌のポリケタイド合成酵素(PKS)遺伝子の解析を目的として、phomoposidin生産菌Phomopsis sp. TUF 95F47、shimalactone Aの生産菌Emericella variecolor GF10の2株に加え、新たにhimeic acid生産菌Aspergillus sp. MF275を加え、解析を進めた。 ・E. variecolor GF10 のshimalactone生合成遺伝子クラスター これまでにshimalactone生合成のPKS遺伝子shmAをその異種発現により同定したが、今年度はshm生合成遺伝子クラスターの各遺伝子の機能同定を目的とした。ShmA PKSの生産するpreshimalactoneがShmB monooxygenaseにより末端二重結合がエポキシ化されると予想し、shmAとshmBをA. oryzaeで共発現させたところ、HPLCで新たに2つのピークが確認された。メインピークの化合物を単離し、NMRとMSによりその構造を確認したところ、予想したpreshimalactone epoxideではなく、shimalacotne Aであることを確認した。このことはShmB monooxygenaseにより生成したpreshimalactone epoxideから非酵素的にoxabicylo[2.2.1]環系が生成し、8π-6π閉環によるbicyclo[4.2.0]環系の生成も進行したと考えられる。また、マイナーピークはpreshimalactone epoxideおよびshimalactone Aと同一分子式の化合物であったことから、両化合物間の中間体と考え、現在、その単離、構造確認を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
shimalactone生合成遺伝子のうち、shmAとshmB遺伝子のA. oryzaeにおける異種共発現により、shimalactone Aが生産されることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
shimalactone生合成遺伝子クラスターの各遺伝子の機能解析をさらに進めるとともに、phomopsidin生合成遺伝子、himeic acid生合成遺伝子の同定を試みる。
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