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2014 年度 実績報告書

糸状菌二次代謝産物のユニークな構造形成に関わる新規酵素の同定と構造多様化への展開

公募研究

研究領域生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御
研究課題/領域番号 25108725
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

加藤 直樹  独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (90442946)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード糸状菌二次代謝 / 生合成遺伝子クラスター / PKS-NRPSハイブリッド / フサリセチン / Diels-Alderase / デカリン
研究実績の概要

本研究課題では、糸状菌PKS-NRPSハイブリッド酵素に由来するテトラミン酸ポリケチド化合物の生合成機構、特に特徴的な環構造形成に関わる酵素の同定とその生合成メカニズム解明を目的とした。前年度に引き続き、ユニークな五環性の縮合環構造を有するフサリセチンAの生合成経路解析に注力した。
その特徴的な環構造形成のプロセスは大きく2つに分けることができる。立体選択的なデカリン環形成と、テトラミン酸とデカリンから構成されるエキセチンのフサリセチンへの変換である。本年度は、前者のプロセスに関わる新規酵素遺伝子fsa2を発見した。エキセチンの骨格形成を担うPKS-NRPSハイブリッド酵素遺伝子fsa1に隣接するfsa2遺伝子は既知のタンパク質や機能モチーフとは相同性を示さず、その生合成経路における役割の推定が困難であった。そこでfsa2遺伝子を欠失させ、その代謝物生産を評価したところ、エキセチンの生産性が大きく損なわれることに加え、エキセチンの異性体の生産が認められた。その異性体の構造を各種二次元NMR、CD測定等により、cis-デカリン環を有するエキセチンのジアステレオマーであると決定した。この結果より、Fsa2がエキセチン生合成経路において、endo選択的なDiels-Alderaseとして機能していることが示唆された。
一方、後者のプロセスについては、fsaクラスターとその周辺の遺伝子すべてを対象とした遺伝子破壊実験を行ったが、エキセチンからフサリセチンAへの変換活性を失った変異株の取得には至らなかった、遺伝子クラスターを完全に欠失させた変異株にエキセチンを投与しても依然としてフサリセチンA生産が回復したことと合わせて考慮すると、変換に関わる酵素遺伝子はfsaクラスターとは別の場所に存在していることが判明した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A new enzyme involved in the control of the stereochemistry in the decalin formation during equisetin biosynthesis2015

    • 著者名/発表者名
      Naoki Kato, Toshihiko Nogawa, Hiroshi Hirota, Jae-Hyuk Jang, Shunji Takahashi, Jong Seog Ahn, Hiroyuki Osada
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 460 ページ: 210-215

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2015.03.011

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 麹菌においてマイコトキシン生産を防ぐセーフガードとシクロピアゾン酸生合成機構2014

    • 著者名/発表者名
      加藤 直樹、徳岡 昌文、篠原 靖智、小山 泰二、長田 裕之
    • 雑誌名

      JSM Mycotoxins

      巻: 64 ページ: 197-206

    • DOI

      10.2520/myco.64.197

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 遺伝子ターゲティングによる糸状菌二次代謝産物生合成経路の全容解明2015

    • 著者名/発表者名
      加藤 直樹、高橋 俊二、長田 裕之
    • 学会等名
      日本農芸化学会2015年度大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-03-29
    • 招待講演
  • [学会発表] Characterization of a-ketoglutarate-dependent dioxygenase FtmF catalyzing endoperoxide bond formation in fumitremorgin pathway2015

    • 著者名/発表者名
      Naoki Kato, Hideo Okumura, Shunji Takahashi, Hiroyuki Osada
    • 学会等名
      Natural product discovery & development in the post genomic era
    • 発表場所
      米国サンディエゴ
    • 年月日
      2015-01-11
  • [学会発表] エキセチンからフサリセチンAへの変換に関わる酵素遺伝子の探索2014

    • 著者名/発表者名
      加藤 直樹、Jae-Hyuk JANG、高橋俊二、Jong Seog AHN、長田裕之
    • 学会等名
      第14回糸状菌分子生物学コンファレンス
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-16
  • [備考] 微生物が特定の形の代謝物を作るために必要な酵素遺伝子を発見

    • URL

      http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150428_2/

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公開日: 2016-06-01  

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