公募研究
植物・微生物は様々な有用テルペノイド化合物を生産し、医薬品、芳香剤、近年ではエネルギー資源など多岐に亘る需要がある。立体特異的構造をもつため化学合成が困難であり、量産には生物の代謝系を利用する必要がある。放線菌は、構造多様性を持つ有用二次代謝物を高生産する能力を有するためテルペノイド化合物への応用が期待されるが、大腸菌や酵母のような実質的な高生産システムとして開発されていない。そこで、本研究では、非メバロン酸経路とメバロン酸経路の両方を駆動する放線菌 (Streptomyces reveromyceticus)に着目した。S. reveromyceticusはreveromycin A (RM-A)を高生産するが、RM-A生合成遺伝子破壊株に経路特異的転写因子(Fur22)を恒常発現させることによって、Furaquinocin (FQ)類を高生産させることが出来る。そこで、Fur22の活用によりテルペノイド生合成遺伝子群の一括発現を検討した。まず、Fur22機能を最大限に発揮させるために、S. reveromyceticus のRNA-seq解析を行なった。得られた候補遺伝子のプロモーターをfur22遺伝子の上流に連結し、FQ生産量を指標にプロモーター活性評価を行なった。その結果、一次・二次代謝生合成遺伝子群と効率的にリンクすると考えられる最適な内生プロモーターを見出した。以上の研究により、Fur22が制御するプロモーター下流に様々な二次代謝生合成遺伝子群を導入することでメバロン酸生合成、テルペノイド二次代謝生合成に関わる全遺伝子の同調発現を可能にした生産プラットフォームを構築することが出来た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
J. Antibiot.
巻: 68 ページ: 293-295
doi: 10.1038/ja.2014.141
J. Biol. Chem.
巻: 289 ページ: 32446-32458
10.1074/jbc.M114.598391
http://www.csrs.riken.jp/jp/labs/npbu/index.html