研究領域 | 感応性化学種が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
25109523
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
増田 秀樹 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50209441)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メタンモノオキシゲナーゼ / チロシナーゼ / ビスμオキソ型銅二核錯体 / μーη2:η2型二核銅錯体 / 異種二核銅錯体 |
研究概要 |
生物に学ぶ高難度な酸化触媒の開発研究を行っており、中でもメタンをメタノールに水酸化するメタンモノオキシゲナーゼやチロシンをカテコールへ水酸化するチロシナーゼについては非常に重要である。これら2種類のモデル系錯体を設計合成し、その触媒機能を検討している。チロシナーゼモデルについては、これまで活性種としてビスμオキソ型銅二核錯体かμーη2:η2型二核銅錯体なのか確定していなかったが、我々はこれらを完全に作り分けることに成功した。また、これらを用いて基質の水酸化を検討したところ、フェ丿レートのカテコールへの水酸化はμーη2:η2型二核銅錯体でのみ進行し、ビスμオキソ型銅二核錯体では進行しなかったことから、明確にチロシナーゼ活性種は前者であることを証明することができた。また、メタンモノオキシゲナーゼのモデル系としては、活性中間体として銅(II)ー銅(III)という異種原子価銅錯体であると提案されており、それに基づき設計合成したところ、異種二核銅(II,III)錯体の合成に成功し、現在その活性種の性質について検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
チロシナーゼの活性種についての研究は想定よりも早期に二つの二核銅錯体の作り分けに成功しており、極めて順調に進行している。また、メタンモノオキシゲナーゼの活性種についても異種二核銅錯体モデルの合成•単離に成功しており、後は性質と基質との反応性について検討するだけである。
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今後の研究の推進方策 |
チロシナーゼ活性種については二つの二核銅錯体の作り分けに完全に成功しており、またチロシナーゼ活性中間体の提案できた。またメタンモノオキシゲナーゼについては、異種二核銅錯体の合成には成功しており、今後はその性質および基質との反応性を検討することとなる。
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