公募研究
本研究では,東日本大震災・津波によって生じた福島第一原発事故に伴う放射性核種のfalloutが水文学的過程を経て海域へ放出される過程に着目し,波浪の影響を精緻に考慮することの可能な最新の領域海洋循環モデル(ROMS-WEC)をべースに,特に河床材料である土砂に吸着した核種の沿岸域での輸送・再循環・沖への放出過程の科学的・定量的評価に資するべく,河口域・浅海域における精緻な土砂輸送モデリング技術を開発することを主たる目的としている.さらに,現地データを用いた検証,および事故後の浅海域土砂輸送に関する長期再解析を行い,土砂およびそれに吸着した放射性核種の陸域から海域への移行過程と,沿岸域での動態解明に資することを志向している.H26年度は,前年度までに構築した各種要素技術を統合し,3次元の「wave-current-sediment(WCS)モデル」を構築した.河川流量再解析値を用いて河口での浮遊砂濃度を経験的に評価し,これをWCSモデルに組み込むことにより,宮城・福島・茨城沿岸における全1・2級河川に対する河道~河口域への土砂輸送評価を行った.モデルの結果は航空機観測による溶存態Cs-137分布や,いわき沖堆積物中Cs-137データとの比較を通じて,良好な再現性を有することを確認した.次いで事故直後以降の再解析を行い,河川からの土砂の河口付近への堆積過程および海域への広域分散過程を定量的に評価した.この結果は,海洋合同班による新田川河口での堆積物データや,沖合の沈降物データの傾向をよく説明しており,広域流動と堆積物分布との関連の理解に対して重要な役割を果たした.さらに,当初計画にはなかった検討事項として,河川班による浮遊粒子比表面積-懸濁態Cs-137濃度の関係式を用いて懸濁態Cs-137の分散・インベントリに関する評価を行なった.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 12件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (30件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
J. Phys. Oceanogr.
巻: N/A ページ: N/A
http://dx.doi.org/10.1175/JPO-D-14-0151.1.
Cont. Shelf Res.
巻: 76 ページ: 36-52
http://dx.doi.org/10.1016/j.csr.2014.01.002
Proc. 24th International Ocean and Polar Engineering Conference, Busan, Korea
巻: N/A ページ: 4p
巻: N/A ページ: 5p
Proc. 19th IAHR-APD Congress 2014, Hanoi, Vietnam
巻: N/A ページ: 7p
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻: 70-2 ページ: I_571-I_575
http://dx.doi.org/10.2208/kaigan.70.I_571
巻: 70-2 ページ: I_451-I_455
http://dx.doi.org/10.2208/kaigan.70.I_451
巻: 70-2 ページ: I_71-I_75
http://dx.doi.org/10.2208/kaigan.70.I_71
巻: 70-2 ページ: I_1076-I_1080
http://dx.doi.org/10.2208/kaigan.70.I_1076
巻: 70-2 ページ: I_446-I_450
http://dx.doi.org/10.2208/kaigan.70.I_446
巻: 70-2 ページ: I_1286-I_1290
http://dx.doi.org/10.2208/kaigan.70.I_1286
巻: 70-2 ページ: I_476-I_480
http://dx.doi.org/10.2208/kaigan.70.I_476
京都大学防災研究所年報
巻: 57B ページ: 455-461
日本流体力学会年会2014講演論文集
巻: N/A ページ: 3p
http://coast.dce.kobe-u.ac.jp/