公募研究
昨年度までに、自己寛容を保証する胸腺髄質上皮幹細胞の存在を証明し、かつその活性が生後直後に急速に低下することが明らかとなり、それらの点について論文としてまとめることができた。本年度は、中枢性自己寛容を担う髄質上皮細胞の何らかの異常と、自己免疫疾患発症との関連を様々な自己免疫モデルマウスを用いて検討した。その結果、全身性自己免疫疾患であるSLEのマウスモデルが、髄質上皮細胞の発生異常を呈することが明らかとなった。 そこで、胸腺髄質上皮幹細胞の同定とその活性の評価に大きな役割を果たした培養系を用いて、本マウスの胸腺上皮コロニー形成能について検討したところ、B6マウスと比較して新生児の時点て明らかにコロニー形成能が低いことが分かった。以上の結果は、SLEモデルマウスで認められるT細胞の機能異常が、胸腺髄質上皮細胞の発生異常に起因する可能性があること、またこの発生異常が幹細胞レベルで起こっている可能性を示唆するものである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
Immunol Rev.
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