研究領域 | 動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成 |
研究課題/領域番号 |
25111713
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三浦 岳 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10324617)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肺 / 枝分れ形成 / FGF10 / 拡散 / 数理モデル |
研究概要 |
本年度は、肺の上皮の運動に関わるmorphogenの実体であるFGF10の可視化とその拡散動態について集中的に研究を行った.FGF10の可視化には、化学的にAlexa488を結合させた精製蛋白と、FGF10-EGFP fusion proteinの双方を用いた.FGF10-Alexaに関しては、生体内にヘパリンビーズを用いて投与し、局所的なソースからの拡散動態を観測した.これまではビーズ周辺10μm程度のごくわずかな領域にしか拡散しないと思われていたが、観察後の固定法を工夫することにより、実際にはもっと遠方まで届いて、上皮内に小胞として蓄積されていることがわかった.この小胞内の蓄積ではFGFR2蛋白と共局在しており、Alexa色素のみが分解されて蓄積しているのではないことが示唆されている.また、FGF10-EGFPについては、肺の器官培養系でelectroporation法を用いて導入し、拡散動態を観測する試みをしている.現在、導入効率を挙げるために条件を最適化している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では肺の上皮の集団運動とmorphogenの拡散動態との関連を研究するのが主たる目的だが、そのうちのmorphogenの拡散動態に関して、実験的な道具が機能するようになって来た.今後これと細胞運動のライブの観察を組み合わせて当初の研究目的の達成につとめたい.
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今後の研究の推進方策 |
前年度に確立したmorphogenの拡散動態を観測する実験的な道具と、肺の上皮の運動の器官培養系におけるライブイメージング、さらにERK signal inputを可視化するマウスとを組み合わせて、肺の上皮がどのような形態形成運動を起こすのか解明する.
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