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2013 年度 実績報告書

感覚組織形成におけるモザイク様細胞配列形成機構の解析

公募研究

研究領域動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成
研究課題/領域番号 25111716
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関神戸大学

研究代表者

富樫 英  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90415240)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード細胞・組織 / 発生・再生 / 形態形成
研究概要

鼻腔の嗅上皮組織では嗅細胞と支持細胞が特徴的なモザイク模様に配列しており、これらの配列が発生過程の細胞の再配列運動によって生じること、また嗅細胞と支持細胞では細胞ごとに様々な細胞接着分子が特徴的なパターンで発現していることをこれまでに見出している。本研究では組織内の細胞配列形成の機構を明らかにする目的で、マウス嗅上皮で見られる特徴的な細胞配列に着目し、(1) 発生過程の嗅上皮組織を用いた細胞再配列過程の経時観察、 (2) 遺伝子改変マウスを用いた細胞配列への影響の検討、(3) 培養細胞を用いた細胞選別実験、をそれぞれ行っている。(1)の組織培養とその経時観察については、これまでに、マウス嗅上皮の組織培養法を樹立し、細胞境界を標識する遺伝子改変マウスを用いることで、発生過程の嗅上皮組織を顕微鏡下で培養、維持しながら細胞の再配列運動を可視化することに成功した。これによって、新しい知見が得られつつある。また、(2)の遺伝子改変マウスを用いた研究項目については、嗅細胞において特異的な遺伝子欠損をさせるための遺伝子改変マウスを既に導入し、現在、様々な分子を嗅細胞で特異的に欠損させたマウスの交配を進め、解析の準備を行っている段階である。(3)の培養細胞を用いた細胞選別実験については、これまでに嗅上皮を構成する細胞で発現している様々な細胞接着分子を同定し、これらを発現するモデル細胞を作成した。現在、これらの細胞を用いて、様々な組合せにおける細胞選別実験を行っている段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

発生過程のマウスから摘出した嗅上皮組織を48時間以上にわたって培養する技術を確立できた点は、大きな進歩であった。また、この組織培養の技術とともに、細胞境界をEGFPで標識する遺伝子改変マウスを用いて、嗅上皮の細胞境界とともに細胞配列を可視化することが出来た。これら2つが出来たことにより、本研究の最も大きな目的である、嗅上皮組織における再配列運動を、生きたまま観察することが可能になり、今後の研究の進展に目処が立った。今後は、これまでに細胞配列に異常が観察されている様々な遺伝子欠損マウスを用いて、組織培養を行うことにより、細胞配列が異常になる過程を詳細に観察し、そのメカニズムを明らかにする予定である。遺伝子欠損マウスを用いた嗅上皮における細胞パターンの解析と培養細胞を用いた細胞選別の研究についても順調に進展している。

今後の研究の推進方策

これまでの研究結果から、様々な細胞接着分子が性質の異なる細胞接着分子と協調して細胞間の識別、接着、運動を制御することによって嗅上皮のモザイク様の細胞配列を形成している可能性を想定し、組織培養と培養細胞を用いた研究を組み合わせて研究を進める。特に、細胞間接着とシグナル伝達など様々な細胞機能が細胞配列形成に及ぼす作用を統合的に検討する。嗅上皮組織の経時観察では、遺伝子改変マウスを用いて嗅細胞や支持細胞を蛍光標識して顕微鏡下で培養を維持したまま細胞の再配列過程の経時観察を行う。同時に遺伝子改変マウスを用いて嗅上皮の細胞特異的な遺伝子ノックアウトや本来発現しない細胞への異所的な遺伝子発現を行い、組織内での細胞再配列への影響を検討する。さらに、これらの実験で着目した分子を発現する培養細胞を作成して細胞選別実験を行い、細胞間の接着親和性や細胞間に働く力が細胞配列に及ぼす影響について解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Nectins and Cadherins Cooperatively Regulate the Cellular Rearrangements in the Olfactory Epithelium2013

    • 著者名/発表者名
      Hideru Togashi
    • 学会等名
      Exciting Biologies 2013 "Biology of Boundaries"
    • 発表場所
      クロアチア国イストラ地方
    • 年月日
      20131017-20131019

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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