公募研究
トリ胚の始原生殖細胞は発生の際、血管内を移動することで最終ゴールである生殖腺に到達する。代表者は前年度までに、トリの始原生殖細胞が血管内を循環移動し、のちに特定の毛細血管で移動を停止し、その停止位置に存在する血管壁を通り抜けることを見出していた。さらに、特定の毛細血管にて移動を停止する際には、生殖細胞がもつ高弾性(細胞として硬いということ)が重要であり、かつその硬さの担い手がActinであることも見出していた。当該年度はこの結果を受け、始原生殖細胞においてActin分子がノックダウンされた際の、血管内細胞挙動の解析を計画した。Actinを始原生殖細胞特異的にノックダウンする方法が必要であるが、血管内の始原生殖細胞に対してのみダイレクトに遺伝子ノックダウンを行うことが困難であることがわかった。そこで、始原生殖細胞の遺伝子操作を可能にするために、この細胞の培養法の確立を試みてきた。浸透圧を250mOsmに調整した特別培地にいくつかのサプリメント、成長因子、およびニワトリ血清を加えた条件でニワトリの始原生殖細胞が安定に培養できることがわかった。現在遺伝子導入条件の検討を行っており、この検討が終わり次第Actinの機能解析に移行し、H28年度中の論文投稿を目指す。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Dev. Biol.
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