• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

肺内インビボライブイメージングによる浸潤リンパ球の秩序形成過程の解析

公募研究

研究領域動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成
研究課題/領域番号 25111722
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関山口大学

研究代表者

長谷川 明洋  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80376376)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード細胞イメージング / アレルギー / 炎症 / リンパ球
研究概要

本研究では肺組織内での細胞の動き・ゆらぎと細胞間相互作用の形成による炎症巣の場の決定メカニズムを解明することを目的として、独自に開発したマウス肺内in vivo live imagingシステムを用いて解析を行い、今年度に以下の結果を得た。
1.Th2細胞の集積とfocus形成を制御する因子の同定:OVA特異的Th2細胞を移入し、気道炎症誘導前後に接着分子やケモカインに対する抗体を投与してTh2細胞集積やfocus形成に対する効果を調べた。その結果、CD69に対する抗体を投与しておくとTh2細胞集積やfocus形成が抑制されることが明らかとなった。また劇症型急性肺炎モデルでは気道炎症モデルでの細胞集積とは異なる分子が関与していることが明らかとなった。
2.マウス肺内in vivo live imagingシステムによる肺組織内でのリンパ球の動的挙動解析:独自に開発したマウス肺内in vivo live imagingシステムを用いて喘息肺での種々の機能的T細胞サブセットの肺内ダイナミクス解析を行い、浸潤様式の差異を解析した。また劇症型急性肺炎モデルでの免疫細胞分画の浸潤過程の挙動を解析した。
3.抗原提示細胞による抗原取り込み過程の時間的定量的解析:GFP陽性の樹状細胞を移入し、異なる色で蛍光標識した抗原分子を吸入させて肺組織内で抗原を取り込む過程の時間的定量的解析を行った。その結果、樹状細胞は抗原吸入20分後には抗原分子の取り込みを開始することがわかった。
4.ナイーブT細胞とエフェクターT細胞の浸潤の動態比較:OVAプライミングの必要性に関して、免疫していないOVA特異的ナイーブCD4T細胞とそれをin vitroで培養して分化させたTh2細胞を用いて実験を行い、浸潤の動態を比較検討した。その結果、エフェクターT細胞のみが抗原吸入後に肺に集積し、ナイーブT細胞は集積しないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した研究目的を達成するために研究実施計画に従って研究を遂行した。その結果、抗体投与実験によりTh2細胞集積とfocus形成に関与する分子がいくつか同定できた。また劇症型急性肺炎モデルでの細胞集積とは関与する分子が異なり、炎症モデルにより細胞集積メカニズムが異なるとがわかってきた。また抗原提示細胞による抗原取り込み過程の時間的定量的解析ができた。さらにナイーブT細胞とエフェクターTh2細胞の動態の比較検討ができた。今年度は当初予定していた研究をほぼ計画通りに遂行することができたことから、順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

これまでのところ本研究課題は当初の研究計画通りに進んでおり、次年度も研究実施計画に従って研究を推進していく予定である。具体的には、樹状細胞の抗原取り込み過程やリンパ球の動態、抗原提示細胞とTh細胞の細胞間相互作用について動的挙動解析を中心に研究を進めて行く予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Crucial role for CD69 in the pathogenesis of dextran sulphate sodium-induced colitis.2013

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, A., Iwamura, C., Kitajima, M., Hashimoto, K., Otsuyama, K., Ogino, H., Nakayama, T. and Shirai, M.
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 8 ページ: e65494

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0065494

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 免疫細胞が炎症組織内で集合体を作るしくみ2013

    • 著者名/発表者名
      長谷川明洋
    • 雑誌名

      動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成ニュースレター

      巻: 2 ページ: 15-17

  • [学会発表] 腸炎の誘導におけるCD69の役割2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川明洋、荻野英賢、大津山賢一郎、中山俊憲、白井睦訓
    • 学会等名
      第87回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都)
    • 年月日
      20140326-20140328
  • [学会発表] Crucial role for CD69 in the pathogenesis of Dextran Sulphate Sodium-induced colitis.2013

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa, A., Shirai, M. and Nakayama, T.
    • 学会等名
      第42回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      20131211-20131213
  • [学会発表] Aging effect for Toll-like receptor gene expression in B cell in vitro culture system.2013

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto, K., Hidaka, R., Goto, S., Hasegawa, A. and Nakayama, T.
    • 学会等名
      第42回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      20131211-20131213
  • [学会発表] 肺炎球菌高発現プロモーターの探索2013

    • 著者名/発表者名
      荻野英賢、長谷川明洋、大津山賢一郎、白井睦訓
    • 学会等名
      第66回日本細菌学会中国・四国支部総会
    • 発表場所
      広島国際大学呉キャンパス(広島県)
    • 年月日
      20131012-20131013
  • [学会発表] アレルギー性炎症反応におけるリンパ球浸潤に関与する分子の探索2013

    • 著者名/発表者名
      長谷川明洋、荻野英賢、大津山賢一郎、中山俊憲
    • 学会等名
      第22回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      20130915-20130916
  • [備考] 山口大学大学院医学系研究科 ゲノム・機能分子解析学分野

    • URL

      http://mb.med.yamaguchi-u.ac.jp/

  • [産業財産権] INHIBITION OF CD69 FOR TREATMENT OF INFLAMMATORY CONDITIONS2013

    • 発明者名
      中山俊憲、長谷川明洋、白井睦訓
    • 権利者名
      千葉大学、山口大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      US13/863439
    • 出願年月日
      2013-04-16
    • 外国

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi