公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
細胞浸潤は基底膜に生じた穴を介した細胞移動のことであるが、in vivoの解析は非常に困難である。その主たる理由は、基底膜を人工的に合成できないこと、つまり適切な実験系がないためである。線虫アンカー細胞の基底膜を介する浸潤モデルは、近年確立されたin vivo実験モデルであり、遺伝学、細胞生物学を組み合わせて解析できる有用なモデルである。この実験モデルを用いて平成25年度は、下記の研究に取り組んで成果をあげた。細胞浸潤の全体像を明らかにするために、極めて有効な変異原である化学的突然変異誘起剤(EMS)を用いて変異体を確立した。EMSによる方法では、機能欠損変異体のみならず、機能亢進(hypermorph)、機能低下(hypomorph)などの変異体獲得が期待できる。現在までに細胞浸潤過程に異常を示す新規変異体、aid-1~6(Anchor cell invasion defect)変異体を樹立した。すべて独立の変異体である。さらに得られた変異体を用いて、細胞浸潤の過程にどのような破綻を示しているのか、三次元構築及びライブイメージングを用いて、解析を行っている。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通りに細胞浸潤に異常を示す複数の変異体を得ることが出来た。また一部の変異体については、すでに次世代シークエンサーと古典的なマッピングを組み合わせることにより、変異遺伝子を同定した。
これまで変異体の獲得及びその遺伝子同定を集中的に取り組んできたので、今後はこれらの変異体を解析することで細胞浸潤を制御している遺伝子を同定する。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
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