公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ファンコニ貧血の原因遺伝子として見つかったFanconi anemia (FA)タンパク質群は、DNA損傷の一つであるDNA鎖間架橋を修復する。DNA損傷が生じると、その近傍にはUbが付加されるが、FAAP20がUbと結合することでFAタンパク質群をDNA損傷箇所へと集積し、修復を行うことが明らかとなっている。従って、FAタンパク質群のDNA損傷箇所集積メカニズムの解明にはFAAP20によるUb結合メカニズムを明らかにする必要がある。本研究ではFAAP20のubiquitin-binding zinc finger (UBZ)ドメインとK63結合型Ub2量体の複合体の結晶構造解析、さらに変異体を用いた解離定数の測定を行うことで、FAAP20によるUbの認識機構を明らかにする。昨年度の研究成果として、FAAP20とLys63結合型Ub2量体の複合体の結晶構造を決定した。得られた結晶構造から、FAAP20によるUbの認識機構を明らかとした。さらに、得られた結晶構造を元にした点変異体を用いて、FAAP20とUbおよびM1-、K48-、K63-結合型Ub2量体との解離速度定数の解析を行った。その結果、FAAP20のUBZドメインにはUb鎖特異性は存在しないことが明らかとなった。
1: 当初の計画以上に進展している
目的の結晶構造を決定した他、変異体を用いた解離速度定数の測定にも成功したため
必要な実験データはすべて得られたため、論文にまとめ、科学雑誌に投稿する。査読者からの追加実験の指示があれば、それに応える。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Retrovirology
巻: in press ページ: in press
in press
Scientific Reports
巻: 3 ページ: 3097
10.1038/srep03097.