公募研究
本課題では、直鎖型Ub鎖の合成に与るユビキチンリガーゼ、LUBAC(Linear UBiquitin chain Assembly Complex)のUb鎖伸長機構の解明を目指し、構造生物学的研究を行った。LUBACは、HOIL-1L、HOIP、SHARPINからなるが、このうち、HOIL-1LとHOIPからなる二者複合体でも直鎖型Ub鎖の伸長が行え、さらにはその一部領域(miniLUBAC)でも、直鎖Ub伸長活性があるので、まずはminiLUBACの解析を試みた。しかしながら、安定した試料を調製できたものの、結晶化には至っておらず、現在も検討中である。他方、LUBACのヘテロ三量体が形成される機構を解明するために、HOIPとSHARPINの複合体形成を調べた。両者が相互作用する部位からなる複合体を調製し結晶化を試みたところ、結晶が得られる条件を見出した。但し、X線結晶回折実験から得られたデータは、分解能7~8オングストロームと不十分であった。コンストラクトの再検討を進めている。以上と平行して進めていた、オートファジー系に関わるユビキチン結合タンパク質であるNBR1のUBA(Ubiquitin association domain)の立体構造解析を完了した。NMR滴定実験から、当該UBAのユビキチン結合様式は典型的なUBAドメインと同様であることが分かった。また、このUBAが二量化することも見出した。但し、このUBA二量体は、p62 UBAの二量体ほど安定ではないことも分かった。さらに、ITC(Isothermal Titration Calorimetry)によってUBAとLys48ポリユビキチン鎖、Lys63ポリユビキチン鎖との結合実験を行った結果、何れの鎖にも同程度の親和性で結合することを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
Nature Communications
巻: 6 ページ: 6116:1-10
10.1038/ncomms7116
巻: 5 ページ: 5340:1-13
10.1038/ncomms6340
J Biol Chem
巻: 289 ページ: 13890-13902
10.1074/jbc.M114.555441