公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
研究代表者は、受容体型チロシンホスファターゼVE-PTPが血管内皮細胞に特異的に発現し、血流により生じる力学的な刺激であるシェアストレス(SS)により、VE-PTPの局在が制御されると共に、SSによる血管内皮細胞の多様な機能制御に関与する可能性を見出している。本研究では、VE-PTPの生理機能とその作用機構の解析を行うことにより、腫瘍血管新生の新たな制御メカニズムを明らかにすると共に、VE-PTPを利用した新規のがん治療法の開発を目的とする。前年度に引き続き、VE-PTPがSSにより、血管内皮細胞の下流に移動・局在する機構につき解析を行い、アクチン再構成や低分子量G蛋白質であるCdc42やRab5の関与が示唆された。また、SSによるVE-PTPの細胞内移動は他のR3タイプ受容体型チロシンホスファターゼに比較して、VE-PTP特異的であることを見出した。VE-PTPはエンドサイトーシスを受け、この細胞内に移動したVE-PTPも、SSにより下流に局在することも明らかにした。VE-PTPノックダウンの系を確立し、VE-PTPがSSによる細胞形態の変化の制御に重要であることを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
当初計画していた、種々の実験や解析が順調に進行し十分な研究成果が得られたため、上記のように判断した。
SSによるVE-PTPの移動の生理的意義をより解明すると共に、すでに作製したVE-PTP-floxマウスと血管内皮細胞特異的にCre-ERT2リコンビナーゼを発現するマウスとの交配をすすめ、血管内皮細胞におけるVE-PTPの機能をさらに明らかにする。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (23件) 備考 (1件)
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