公募研究
本研究は、緑藻クラミドモナスの光行動の制御を行っていると考えられる、レドックス制御機構の分子レベルでの解明を目指したものである。H26年度は、H25年度に行ったダイニンサブユニット型チオレドキシンLC3, LC5の機能解析の続きを行った。H25年度末に判明した、チオレドキシンアフィニティカラム法を用いて得られたLC3ターゲット候補タンパク質は、残念ながら非特異的吸着であることが判明した。研究室のその他のチオレドキシンカラム法実験の解析結果と合わせ、細胞内の可溶性画分に存在しないチオレドキシンには適用しにくい方法であることが示唆された。LC3, LC5ターゲットの捕獲は生体内で行うべきであることが判明したため、両タンパク質を欠いたミュータントの大規模スクリーニングを行ったところ、数万の候補株の中からLC3欠損株を得ることができた。現在、この株にチオレドキシン活性配列に変異を導入したLC3を発現させることで、生体内でLC3ターゲットタンパク質を捕獲する実験を進めている。並行して、新たにレドックス感受性異常をもつクラミドモナスミュータントのスクリーニングを行った。その結果、通常酸化的だと正、還元的だと負の走光性を示すところ、「酸化還元状態に依らず正の株1種」「同、負の株1種」「(運動するにも関わらず)何があっても走光性を示さない株2種」という4つの株の単離に成功した。これらは鞭毛運動を制御するレドックス調節経路に異常をもつ可能性がある。現在、全ゲノムシーケンシングによる変異同定に先駆けた戻し交配を進めている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻: 111 ページ: 9461-6
10.1073/pnas.1403101111
http://www.res.titech.ac.jp/~junkan/Hisabori_HomePage/index.html