公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
(1)繊毛内へ輸送されるタンパク質の安定発現細胞株の樹立一次繊毛を高頻度で形成するヒト網膜色素上皮RPE1細胞に、繊毛内に局在することが知られている膜タンパク質Smoothened(GFP-tag)およびポリシスチン1(Tac-tag)を安定発現する細胞株を樹立した。これらの細胞株を利用して、ポリシスチン1のC末端細胞質ドメインに結合するタンパク質のスクリーニングが進行中である。(2)BBSome複合体の構築様式に関する研究繊毛内へのタンパク質輸送に関与するBBSome複合体(7つのサブユニットから成る)のサブユニット間相互作用を、酵母2ハイブリッドシステム、および蛍光タンパク質標識したサブユニットを動物培養細胞に発現させたのちに共免疫沈降を行って網羅的に解析しつつある。それによって、BBSomeサブユニット間の相互作用の全体像の解明が進行中である。その過程で、BBSsomeは、まずBBS4サブユニットが中心体にリクルートされ、次に他のサブユニットがBBS4のまわりに集まって構築されることを明らかにした。さらに、これまでは機能がわからなかったタンパク質BBIP10もBBSome複合体に含まれ、BBS4に結合することによって、BBSomeの構築の際に中心的な役割を果たす可能性を示した。
2: おおむね順調に進展している
繊毛内へのタンパク質輸送を観察する系が一つ確立した。さらに別の繊毛内に局在するタンパク質の安定発現細胞株を樹立しつつある。これらの系を活用して、繊毛内へのタンパク質輸送を生化学的、およびライブイメージングによって解析しつつある。一方、繊毛内へのタンパク質輸送に関与するBBSome複合体に関しては、その構築様式に関して予想以上の進展があり、今後はBBSomeサブユニットの変異体を作製して、繊毛内タンパク質輸送に及ぼす影響について検討する予定である。
・BBSome複合体、Exocyst複合体、およびSNARE複合体による繊毛輸送の調節これらの複合体を構成するサブユニットの変異体を細胞内で発現させたとき、あるいは細胞にsiRNAを導入して発現抑制したときのSmoothenedやポリシスチン1の局在変化をタイムラプスイメージングで解析し、これらの複合体の繊毛内へのタンパク質輸送における役割を解明する。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)
Cell Struct. Funct.
巻: 38 ページ: 31-41
10.1247/csf.12028
FEBS Lett.
巻: 587 ページ: 1617-1623
10.1016/j.febslet.2013.03.042
Mol. Biol. Cell
巻: 24 ページ: 2570-2581
10.1091/mbc.E13-04-0197